スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

なぜ睡眠が必要か?

睡眠をとることによって人は体と脳の働きを休ませることができます。よって、十分な睡眠が確保できない場合、肉体的・精神的にも、どこかに支障が出てきます。

人が眠りにつき、ノンレム睡眠という深い眠りに入ると成長ホルモンが分泌され、このホルモンが細胞の新陳代謝を促し、皮膚、筋肉、骨などを成長させ、筋肉や内臓などを修復したり疲労を回復させたりします。

睡眠中に分泌されるホルモンには成長ホルモンの他にプロラクチンや思春期における性腺刺激ホルモン、コルチゾールがあります。

睡眠女性

プロラクチンは睡眠の後半に向かって多く分泌され、乳汁分泌を促すホルモンですが、成長ホルモンと同様に身体の修復機構と関係しています。

性腺刺激ホルモンは、生殖器の成長や第2次性徴(身長をはじめ、急激に身体が成長する10~11歳頃の時期)の出現などに影響を与えます。

コルチゾールは、副腎から分泌されるステロイドホルモンの1種で、代謝促進作用を持ち、ストレスに応じて分泌量が増大します。また、アレルギー疾患を軽減させる働きを持ちます。主な働きは環境の急激な変化などといった緊急事態に対し、利用出来るエネルギーを体内に準備することです。

脳は睡眠をとることによってのみ休息をとることができます。よって、睡眠不足が続くと、体の疲れがとれないだけでなく、脳を十分に休ませることができないために、イライラしたり、ぼんやりしたりして、精神的機能が低下し、社会生活に支障をきたしたり、交通事故や労働災害に遭うリスクが高まります。

また、人は眠りの浅いレム睡眠の間に記憶の整理・保管をしています。レム睡眠は睡眠後半に多く出現することから、十分な睡眠時間が確保できない場合、記憶の定着が十分に行われず、日中に得た知識がきちんと身につかないことになります。

慢性的に十分な睡眠がとれないと、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などを引き起こしたり、うつ病などの精神疾患を生じる可能性もあります。言わば、睡眠は健康的な生活をするために必要不可欠なものです。

例えば、次のような症状ある場合、睡眠時間を見直すことで症状が改善することもあります。

・疲れが取れない、1日中だるい、やる気が出ない
・頭の回転が悪い、仕事で単純なミスばかりする、クリエイティブな発想が出てこない
・午後になると集中力が落ちる、会議中にうとうとしてしまう
・物忘れが多い、勉強や仕事で新しいことを覚えてもすぐに忘れてしまう
・抜け毛、シミ、皺が増えた
・見た目より老けて見られてしまう
・食事節制し、運動をしても全然痩せない
・何だかイライラする、ネガティブなことばかり考える
スポンサーサイト

不眠症とは

不眠症とは、入眠困難や睡眠維持困難が繰り返され、また、通常の時間帯に寝ているにもかかわらず良質の睡眠が得られず、その結果として昼間の機能低下が生じ調子が悪いことです。

(2005年:米国睡眠医学会「睡眠障害国際分類第2版(The International Classification of Sleep Disorders, Second Edition:ICSD)」より)

つまり、たとえ寝つきが少々悪くても、睡眠時間が人より少し短くても、夜中に一度くらい目が覚めても、満足な熟睡感がなくても、昼間の生活に何の支障もなく快調に過ごせるのであれば、その人は不眠症とはいいません。

簡単に表すと以下のように定義できます。

・入眠障害:寝付くのに2時間以上かかる
・中途覚醒:いったん寝ても夜中に2回以上目を覚ます
・熟眠障害:朝起きたときぐっすり眠った感じを得られない
・朝、普段よりも2時間以上早く目が覚める

*週2回以上、上記のような症状があり、それが1か月以上継続している場合、不眠症といえます。

不眠

なお、昼間の眠気の程度から睡眠障害の疑いを判断する方法もあります。

1991年に考案された「エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale:ESS)」を使って、簡単に自分自身で評価(診断)することができます。

日常の暮らしを思い出しながら、8項目の質問に答えてみましょう。
0から3の最も当てはまる答えに○をつけます。

その合計が11点以上の場合には、日中の眠気はかなり強く病気が関わっている領域が疑われ、専門的には”自覚的過眠症状有り”と判定されます。

過眠症状を有する病気の代表は、ナルコレプシー睡眠時無呼吸症候群などです。もしもこの点数が16点以上の場合には、”重度の過眠症状有り”と判定されるので、直ちに睡眠の専門施設を受診すべきです。

なお、この点数が16点以上の重度の方を対象に行った調査で5人に1人が過去5年間に居眠り運転事故を経験していたという調査結果もあります(2006年度警視庁委託調査研究報告書)

<エプワース眠気尺度(ESS)>
最近、次のような設問の状況になったとき、眠くてうとうとしたり、眠ってしまったりすることがありますか。下の数字で答えて下さい。

設問のような状況になったことがない場合、その状況になったらどうかを想像して答えて下さい。

0=うとうとすることはまったくない
1=ときどきうとうとする
2=よくうとうとする
3=いつもうとうとする

設問
・座って読書しているとき
・テレビを見ているとき
・人の大勢いる場所(会議や劇場など)で座っているとき
・他の人の運転する車に休憩なしに1時間以上乗っているとき
・午後、横になって休息しているとき
・座って人と話しているとき
・昼食後(飲酒していない)、静かに座っているとき
・自分で車を運転中に渋滞や信号で数分間止まっているとき

判定
0~5:眠気はないか、あってもわずか
6~10:眠気はあっても正常の範囲内
11~15:軽度の眠気(軽度の過眠症状)あり
16~24:重度の眠気(重度の過眠症状)あり

不眠症の要因別の分類

不眠症にもさまざまな要因があり、以下のように分類できます。

○身体的要因:
病気による不眠であり、臓器別にみると狭心症、心不全などの心疾患、気管支喘息、肺気腫などの呼吸器疾患、胃潰瘍、逆流性食道炎などの消化器疾患、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などの内分泌疾患、脳血管障害、パーキンソン病などの脳神経障害、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患などがあります。

こうした疾患名がつかなくても、頭痛やかゆみ、痛み、発熱は不眠症の原因となります。

○生理学的要因:
環境要因ともいえ、騒音や温湿度、照明など睡眠環境として不適切な生活環境です。

○心理的要因:
精神的ショック、生活上の不安などのストレスといわれるものです。

ストレス

○精神医学的要因:
うつ病、神経症、総合失調症などの精神疾患です。

○薬理学的要因:
降圧剤、ステロイド剤、甲状腺剤などの薬物の薬理作用やアルコール、たばこといった嗜好品の薬理作用があります。

不眠症の治療においては、上記のような原因を特定し、その原因を取り除くことで不眠を治していきます。

ノンレム睡眠(深い眠り)の役割

ノンレム睡眠はその眠りの深さによって睡眠段階1~4に分類され、睡眠段階3~4の眠りの一番深い段階を徐波睡眠(デルタ睡眠)と言われます。

この深いデルタ睡眠では、筋肉に送られる血液の量が多くなり、日中使った体力を回復させます。

そして、体温が下がることによって次の日のためにエネルギーを温存します。また、代謝活動が最低になって、組織の成長や回復に備えます。これは、ウィルス感染に対する免疫力を高めることにも働きます。

そして、このデルタ睡眠の間に、脳下垂体前葉から成長ホルモンが大量に分泌され、成長ホルモンが成長や発育を促し、また、体の組織を修復させます。

そのために、特に子供や思春期の少年少女にとっては、かなりの時間、深い睡眠が乱れないことが大切です。

熟睡

レム睡眠(浅い眠り)の役割

レム睡眠中は夢を見たり、眼球運動を行ったりしていますが、ただ夢を見ているだけではありません。

レム睡眠中は起きているときより、脳波が激しく活動し、激しい神経の興奮が脳の上部に広がって、情報を再編成、分類すると同時に、記憶を保管しています。

日中、人はいろいろな活動をし、そこでの体験や知識を覚えていられるのは、毎日睡眠をとることによって、レム睡眠中に脳が記憶の整理を行っているからです。

よって、どんなに学習したとしても、全く眠らなければ、その学習した情報を記憶することは出来ませんし、また、将来、脳から引き出そうとしても、情報が整理されていないため、簡単に引き出すことはできません。

学習

また、人は学習し、記憶する為には、ノルエピネフリンやセロトニンといった神経伝達物質が必要と言われています。

そして、これらの神経伝達物質は昼間休みなく脳を活動させると、その日のうちにひどく消耗してしまいます。

そこで人は眠っている間、レム睡眠中に、翌日に備えてこの神経伝達物質を補給しています。

人は眠りに入ると最初に深いノンレム睡眠に入り、その後90~110分後ぐらいにレム睡眠が訪れます。

このサイクル(睡眠周期)は一晩に何回も繰り返されますが、最初はノンレム睡眠が長く、後半になると、逆にレム睡眠の時間帯が長くなります。

よって、睡眠時間が不足すると、ノンレム睡眠が十分にとれていませんので、翌日あまり頭が回らず、昼間、学び、考え、記憶し、行動するのに影響を及ぼしてしまいます。

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠の二種類があります。ノンレム睡眠は眠りの深い状態であり、体も脳も眠り、心拍数、血圧、呼吸数が低下します。

逆にレム睡眠は眠りの浅い状態であり、夢を見たり、眼球運動(小さくて急速な運動、rapid eye movement:REM)を行っています。

夢

また、ノンレム睡眠は睡眠段階1から睡眠段階4の4段階に分類されます。

入眠すると数分間のレム睡眠のあと、すぐにノンレム睡眠に入り、睡眠段階1から4へと徐々に睡眠が深くなっていきます。そして、睡眠段階3と4は合わせて徐波睡眠と呼ばれます。

人は約90分間の睡眠周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返し、睡眠の前半はノンレム睡眠が長く、睡眠の後半に近づくにつれて(睡眠不足が解消されるにつれて)、逆にレム睡眠が長くなります。

なお、この睡眠周期は生後0~8カ月の乳児では約50分を1周期とし、2~5歳になると約70分に延長し、5~10歳の間に成人の90分周期に達するとされています。

関連記事:
ノンレム睡眠(深い眠り)の役割
レム睡眠(浅い眠り)の役割

概日リズム(サーカディアン・リズム)とは

人は1日に1回眠りますが、それは24時間を一周期とする生体リズム(概日リズム、または、サーカディアン・リズム)があるからです。

このリズムは体内時計によってコントロールされています。体内時計は脳の視床下部の視交叉上核にあり、体内時計によって体温のリズムもコントロールされています。

体温は朝から上昇し始め、午後に最高に達し、今度は夕方になると下降し始め、夜、眠りにつくとさらにぐっと下がるというリズムがあります。

また、この生体リズムは脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンからも大きな影響を受けています。

メラトニンは夜になって眠るための睡眠ホルモンと言われており、朝起きて太陽の光を感知すると、それが視交叉上核に伝えられ、その14~16時間後に松果体からメラトニンが分泌されます。そして、メラトニンが分泌され、2~3時間すると眠くなり、就寝します。

夜

以上のように毎日無意識に繰り返している生体リズムの周期ですが、実は正確には24時間より10分ほど長くなっており、1日24時間のサイクルと少しズレがあります。

人はこの周期のズレを毎日太陽の光を浴びることや毎日決まった時間に食事を摂ること、時間を意識することなどで調整しています。

例えば、時計もなく、真っ暗な洞窟の中で生活を行うと、毎日少しずつ、生体リズムが後退し、そのうち昼夜が逆転してしまいます。

以上から日中は出来るだけ太陽の光を浴びる、食事は規則正しく摂取する、といった生活習慣が睡眠の重要な要素となります。

毎日どのぐらいの睡眠時間が必要か

健康的な生活を行っていく上で必要な睡眠時間とは何時間ぐらいでしょうか?

気になるところですが、これは年齢や個人によって異なってきます。

生まれたばかりの新生児は1日に16時間ほど眠っていますが、その半分ぐらいは眠りの浅いレム睡眠です。これは体内時計の働きがまだしっかり出来ていないことも理由にあります。

赤ちゃん

そして大人になるにつれてレム睡眠の時間が短くなり、眠りの深いノンレム睡眠の時間が長くなり、総睡眠時間は徐々に少なくなってきます。

そして、成人の人が健康的な生活を行って行く上で必要な睡眠量は一般的には7~8時間と言われています。

過去の研究結果では、睡眠時間が7時間の場合に平均余命が最も長くなり、死亡リスクも軽減するとされています。

ただし、同じ睡眠時間をとっても十分休養したと思える人もいれば、不十分と感じる人もおり、個人によって異なります。それは、年齢や日中の活動内容、体調、その人の性格などによっても必要な睡眠時間は変わってくるものと思われます。

よって、日中、生活をするうえで、過度の眠気を感じず、気力的にも体力的にも充足感があれば、それがその人に合った睡眠時間と考えた方がいいでしょう。

例えば、正午から午後3時頃の眠気は睡眠時間が十分な状態でも現れるが、午前中や夕方過ぎにも強い眠気を感じたり、椅子などに座るといつでもどこでも寝てしまう、などの症状があるようでしたら、睡眠時間が十分とは言えないでしょう。

子供の睡眠

生まれたての乳児は、起きている時間帯と眠っている時間帯に明らかな区別がなく、2~3時間の短い覚醒と睡眠が繰り返され、言わば、ほとんど眠っているような状態です。

そして、生後1カ月頃から覚醒と睡眠の時間帯が少しずつ分かれてきます。ただし、入眠時刻と覚醒時刻は成人のように昼夜のリズムとは同期せず、日ごとにその時間帯は後退していきます。

生後2か月から、このリズムが昼夜の周期に同調し始め、その後、生後4カ月にかけて急速に昼間の睡眠が減少し、睡眠が夜に集中するようになります。

つまり、昼間の睡眠が「昼寝」の性格を持つようになります。

そして、昼間の睡眠は生後8カ月ごろから、午前、午後各1回、また、1歳2カ月ごろからは午後1回となり、4~5歳で生理的な昼間の睡眠はなくなります。

子ども睡眠

また、このような子供の睡眠の昼夜の区別(概日リズム:サーカディアンリズム)は子供の発育段階で周りの環境から作られていきますので、新生児期からはっきりと昼夜(明暗)の区別がある中で育てることが重要となります。

次に子供の睡眠の質ですが、成人は眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠を約90分の周期で繰り返しますが、レム睡眠は生後3カ月ごろから出現し、2歳頃には、成人と同じ程度の割合(総睡眠時間の20~25%)になるといわれています。

逆に、ノンレム睡眠については、新生児期には総睡眠時間の約30%ですが、生後3カ月頃には約50%にまで増えます。

深いノンレム睡眠(段階3、4)の割合は、乳幼児から思春期まではほぼ一定で総睡眠時間の約1/3を占めます。その後、思春期以降に次第に減り、代わりに浅いノンレム睡眠(段階1、2)の割合が増えてきます。

乳幼児の1日の総睡眠時間は、4カ月児で14~15時間、1歳児で11~13時間程度、あるいは1歳6カ月~3歳児で約12時間です。なお、思春期にはホルモン分泌の変化により思春期前より必要とする睡眠時間が増えるという報告もあります、

高齢者の睡眠

高齢になるにつれて生理機能が低下し、睡眠の質が低下していきます。

まず、眠りの深いノンレム睡眠の時間帯が少なくなり、眠りの浅いレム睡眠が多くなることから、中途覚醒が多くなります。夜間頻尿など加齢に伴う身体的変化も影響を与えます。

また、高齢者の睡眠の大きな特徴として、睡眠の時間帯が早くなることが挙げられます。

何もすることがないからといって、就寝時刻が早くなることで睡眠時間が必要以上に長くなり、そのため、睡眠全般が浅くなり、熟睡感の低下や中途覚醒の増加、及び早期覚醒などが生じてきます。

これらについては、例えば、昼間の早い時間帯に15~30分程度の短い仮眠をとり、夕方は軽い運動を行い、夕食後はテレビやラジオなど何か興味の持てるものを作るなどし、出来るだけ就寝時間を遅らせ、睡眠時間を短くすることで睡眠の質を上げることが出来ます。

近年、意欲的で健康的な高齢者ほど短い昼寝を習慣的にとっていること、30分以下の短い昼寝が不眠を予防することが明らかにされてきております。

短い昼寝は脳の疲労回復や睡眠の改善によって免疫機能が上昇し、認知症発病の危険性を1/5以下に軽減することも明らかにされております。

ただ、1時間以上の昼寝は、アルツハイマー型認知症の危険性を2倍に増加させることも指摘されており、習慣的な短い昼寝は効果的だが、長すぎる昼寝は逆効果になるといえます。

高齢者

また、高齢者の方は日中に室内で過ごす時間帯が長く、太陽の光に当たる時間帯が短いことから夜間のメラトニン(睡眠誘発ホルモン)の分泌が低下していることもあります。

外出の機会を増やしたり、室内にいる間は出来るだけ日当たりの良い窓際で時間を過ごすようにするなどの工夫も大切です。

高齢者の中でも認知症を患っている人は、さらに重い夜間不眠、過眠、不規則な睡眠覚醒など様々な睡眠障害が続くことが多くなります。

アルツハイマー病でも、浅い睡眠、中途覚醒の増加、総睡眠時間および睡眠効率の減少など高齢者の睡眠が更に悪化します。

深い眠り(徐波睡眠)の減少や中途覚醒の増加は発症早期から認められ、重症化するにつれて顕著になります。

加えて、アルツハイマー病患者に対して頻用されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(アルツハイマー病患者で枯渇しているとされる神経伝達物質アセチルコリンの分解を抑え、脳内の濃度を上昇させる薬物)は覚醒を促し、睡眠を妨げる物質として知られており、痴呆の治療のために、痴呆の最大の合併症である睡眠障害を悪化させるというリスクもあります。

次に、高齢者は何らかの基礎疾患を持っていることが多いため、二次性不眠症になることが多くなります。

不眠が生じやすい疾患として、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、虚血性心疾患、うっ血性心不全、甲状腺機能障害、糖尿病などの内分泌疾患、腰痛症、リウマチなど、様々な身体的疾患が挙げられます。

また、治療薬によって不眠をきたすケースもあり、降圧薬、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、抗パーキンソン病薬、インターフェロン、抗うつ剤などで不眠、悪夢、日中の過眠、うつ状態などを生じたりします。

このように高齢者の不眠にはさまざまな原因となる基礎疾患がある場合がありますので、眠れないからといって、単純に睡眠導入剤を飲むといった行動は避け、専門医と相談し、出来る限り不眠の原因を取り除くことも考えましょう。

不眠と糖尿病の関係

不眠を抱えると糖尿病になるリスクが高くなると言われており、海外の報告では、不眠によって糖尿病の発症リスクは約1.5倍も高まるとされています。

その理由としては、まず、睡眠不足や睡眠の質が低下すると、肥満になる可能性が高くなります。これは、睡眠不足によって食欲増進物質であるグレリンの分泌量が増え、逆に食欲抑制物質であるレプチンが減少することから、空腹感を感じやすくなり、食欲が増し、実際に食事量が増える(エネルギー摂取量が増える)からです。

スイーツ

加えて、日中の眠気や脳機能の低下によって活動量が減少することから、体内でのエネルギー消費量も減少します。

また、それ以外に睡眠不足によりストレスを受けやすくなり、交感神経系も活発になることから、コルチゾールの分泌量が増えます。

コルチゾールは炭水化物、脂肪およびたんぱく代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンですが、ストレスによってその分泌が高まると、血圧や血糖値が上がり、代わりにインスリンの分泌量が減り、糖尿病発症のリスクを高めます。

なお、不眠が糖尿病の発症に影響を与える一方、糖尿病自体も不眠の発症に影響を与えると考えられています。まず、高血糖によって睡眠前半の徐波睡眠(眠りの深いノンレム睡眠の中でも特に眠りの深いところ)が少なくなるという報告があります。

また、糖尿病の症状から、中途覚醒や熟眠障害が生じることもあります。それは、夜間頻尿や口渇、末梢神経障害や閉塞性動脈硬化症による痺れや疼痛、夜間こむらがえり、消化管の機能異常による腹部膨満感、逆流性食道炎による胃もたれ、むずむず脚症候群の合併、などさまざまです。

さらに糖尿病患者では、予後や合併症などに対する悲観的思考や、食事制限、運動およびインスリン注射の継続などによるストレスなどから抑うつや不安を合併しやすく、それの精神症状から不眠を発症することもあります。

以上のように不眠と糖尿病は一方向の関係ではなく、相互に悪影響を及ぼし合っています。

不眠と高血圧

一般的に血圧の一日における変化は、体温の変化と似ており、起床時から上昇し、日中は高い数値を維持し、夕方から夜にかけて低下し始め、眠っている間が最も低くなります。

これは、日中は活発に活動できるように交感神経が優位となり、夜になると就寝に向けて副交感神経が優位になるからです。

ところが不規則な生活を続けたり、過度なストレスなどにより、自律神経のバランスが崩れてくると、夜になっても交感神経が優位なままで、副交感神経優位にうまく切り替えが行われません。そのため、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなるとともに、就寝中に下がるはずの血圧もなかなか下がりません。

血圧

睡眠不足や睡眠障害が続くと、交感神経系は活性化し、これがさらに悪循環化します。

特に睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠中に気道が閉塞して呼吸が止まり、次に呼吸が再開する際には睡眠が一時中断されることから、交感神経が亢進し、血圧も上昇します。そして、一晩中このようなサイクルを繰り返すことから、睡眠中も血圧が正常に低下せず、高血圧になりやすくなります。

また、近年の研究では、睡眠ホルモンであるメラトニン分泌の減少が血圧上昇の一因であるとする報告もあります。

睡眠は身体を休めるだけでなく、日中負担をかけた血管をメンテナンスする重要な働きもあります。よって、睡眠不足が続くと、高血圧になるだけでなく、血管に対する負担が増加することによって、脳心血管疾患発症のリスクも高まります。

降圧薬を飲んでも血圧がなかなか下がらない人は、睡眠時間が十分にとれているか、眠りが浅くなっていないか、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害を抱えていないかを疑って、気になる場合は医師に相談してみましょう。

セロトニンとメラトニン

脳内神経伝達物質「セロトニン」と睡眠ホルモン「メラトニン」は表裏一体の関係となっており、セロトニンは昼間に脳と体を覚醒させ、日中活発に活動できるようにしてくれ、夜になるとメラトニンの原料となります。

逆にメラトニンは眠りを促すホルモンです。セロトニンがきちんと分泌されないと睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量も減り、良い睡眠が得られなくなります。

セロトニンは①太陽の光を浴びること、②リズム運動、③グルーミング(スキンシップ)によって、活性化することができると言われています。

太陽の光は朝5分から30分だけでも日光浴をするだけで十分です。また、リズム運動とは「一定のリズムで筋肉を緊張させたり、緩めたりしながら、体を動かす運動」のことであり、具体的にはウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などがリズム運動にあたります。

体がリズムを刻むことでセロトニン神経を活性化してくれます。また、セロトニンの活性化を目的に行う場合は、5~30分程度の運動で十分です。重要なことは少しでも毎日続けることにあります。

最後のグルーミングは、人と人、人と動物が手をつないだり、なでたり、さすったりして、体を触れ合うことによってセロトニン神経を活性化させてくれます。

スキンシップ

高齢になると睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量が減り、夜の睡眠の質が落ちてきます。セロトニン神経を活発化させることによって、メラトニンの分泌量を増やすことができますので、高齢の方は特に上記3つのことを出来るだけ毎日行うようにしましょう。

また、セロトニンはストレスなど感情の振れ幅や自律神経をコントロールしてくれます。その半面、ストレスが多いとセロトニンは減っていきます。

例えば、うつ病の人の脳内セロトニン濃度は健康な人より低下しています。うつ病には遺伝的にもともとセロトニンが不足して起こる先天性のうつ病と、過剰なストレスと生活習慣によって起こる後天的なうつ病の2種類がありますが、多いのは後者のうつ病で、セロトニンを増やすことで治る可能性の高いうつ病です。よってストレスの多い生活を送っている人や落ち込みがちな方は特にセロトニンを増やすようにしましょう。

次に、メラトニンは深部(体の内側)体温を調節してくれる働きがあります。メラトニンが夜分泌され、その作用によって深部体温が低くなると私たちは眠気をもよおします。また、メラトニンには老化や生活習慣病を促進させる物質の活性酸素を除去する働きや免疫細胞をつくる胸腺に働きかけ、免疫力を高める働きがあります。

このように大切なメラトニンはセロトニンがきちんと生成されることによって分泌されますが、夜強い光を受けたり、パソコンや携帯、テレビなどの電磁波、カフェイン・アルコール・タバコなどによって、その分泌が減少しますので注意が必要です。

なぜ人は眠くなるのか

人はなぜ眠くなるのでしょうか?寝ないで24時間起きていられれば、もっと時間をいろいろなことに使えるのに、と思う方も多いと思います。

人の眠気は、「疲れたから眠る」(恒常性維持機能)仕組みと「夜になると眠る」(体内時計機構)仕組みの2つからなります。

▽疲れたから眠くなる(恒常性維持機能)
起きていると身体と同様に脳にも疲れがたまり、その機能が徐々に低下していきます。起きていた時間に依存する仕組みであり、徹夜を続けると、昼夜に関係なく、最後には眠気に負けて、眠ります。まさに生きていくためにはいつかは眠らなければ、死んでしまうということです。

また、就寝時刻と起床時刻が変わらなくても、いつもより早い時間に眠気に襲われることがあるのは、日中いつもより、脳を使ったり、ストレスによって脳が疲れたからかもしれません。

あくび

▽夜になると眠くなる(体内時計機構)
人は身体の中に体内時計を持っており、夜になると自然と眠くなります。これは「メラトニン」という睡眠ホルモンが関係をしています。

朝起きて太陽の光を浴びると、それが脳の視交叉上核に伝わり、その14~16時間後に松果体からメラトニンが分泌され、その2~3時間後に眠気をもよおします。メラトニンには深部(体の内側)体温を調節してくれる働きがあり、夜メラトニンが分泌されると、その作用によって深部体温が低くなり、私たちは眠気をもよおすのです。

夜分泌される睡眠ホルモン「メラトニン」は、その逆の働きをする「セロトニン」というホルモンから生まれます。セロトニンは、朝太陽の光を浴びるとその分泌が高まり、脳や身体を覚醒させ、日中活発に活動できるようにしてくれます。そして、日が暮れて、夜になると、その活動を終え、今度は睡眠ホルモンであるメラトニンに変わります。つまり、朝のセロトニンの分泌が高まると、夜のメラトニンの分泌も高まるのです。

逆に、夜分泌されるメラトニンは、光に弱く、就寝前に光を浴びすぎると、せっかく眠るために分泌されてきた睡眠ホルモンがどんどん減っていきます。

なぜ寝ると疲れが取れるのか

日中疲れた身体を睡眠中に回復してくれるのは、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」が大きな役割を担っています。

成長ホルモンは、骨や筋肉を成長させ、免疫力を活性化させるとともに、細胞の新陳代謝を活発にし、肌や髪の再生を促し、疲労回復を行ってくれます。

この成長ホルモンは、1日の総量の約70%が眠っている間に分泌され、それも寝入りばなの3時間に集中して分泌されます。つまり、この寝入りばなの3時間が「疲れを取る」勝負の時なのです。

疲れ

では、どんな眠りでも寝入りばなの3時間で成長ホルモンが分泌されるかというと、そうではありません。眠りの深さによって、その分泌量が異なってきます。

寝入りばなに成長ホルモンが集中して分泌されるのには理由があり、それは、寝入りばな3時間ぐらいに眠りの深いノンレム睡眠が集中して現れるからです。

ノンレム睡眠はその眠りの深さによって睡眠段階1~4に分類され、睡眠段階3~4の眠りの一番深い段階を徐波睡眠(デルタ睡眠)と言います。成長ホルモンは、この深いデルタ睡眠の間に、脳下垂体前葉から大量に分泌され、併せて筋肉に送られる血液の量も多くなり、体力を回復させます。

また、この間、体温は下がり、次の日のためのエネルギーを温存し、代謝活動も最低になり、組織の成長や回復に備えます。これは、ウィルス感染に対する免疫力を高めることにも働きます。

もし、あなたの寝入りばな3時間の眠りが浅いものであったならば、同じ時間眠っていても、成長ホルモンの分泌量も少なく、疲れも取れにくくなります。

睡眠のゴールデンタイムとは

睡眠のゴールデンタイムとは、最も質の高い睡眠が取れ、最も睡眠による恩恵を受けられる時間帯のことを言います。言い換えれば、骨や筋肉を成長させ、免疫力を活性化させるとともに、細胞の新陳代謝を活発にし、肌や髪の再生を促し、疲労回復を行ってくれる「成長ホルモン」が最も分泌される時間帯です。

成長ホルモンは、1日の総量の約70%が眠っている間に分泌され、それも寝入りばなの3時間に集中して分泌されます。つまり、睡眠のゴールデンタイムは就寝して最初の3時間であると言えます。

時計2

寝入りばなに成長ホルモンが集中して分泌されるのには理由があり、それは、寝入りばな3時間ぐらいに眠りの深いノンレム睡眠が集中して現れるからです。

ノンレム睡眠はその眠りの深さによって睡眠段階1~4に分類され、睡眠段階3~4の眠りの一番深い段階を徐波睡眠(デルタ睡眠)と言います。成長ホルモンは、この深いデルタ睡眠の間に、脳下垂体前葉から大量に分泌され、併せて筋肉に送られる血液の量も多くなり、体力を回復させます。

では就寝して最初の3時間であれば、何時に眠っても同じ結果でしょうか?それは違います。

成長ホルモンはメラトニンという睡眠ホルモンと密接な関係を持っています。メラトニンは眠りを促し、深いものにし、また成長ホルモンの分泌を促してくれるからです。

メラトニンは朝、光を感知してから14~16時間後に分泌を始め、その3~4時間後にピークを迎えます。例えば、毎朝7時に起床している人は、22時頃にメラトニンが分泌を始め、夜中の2時頃にピークを迎えます(深部体温が最低になる1~2時間前と言われています)。

つまり、夜0時~3時ぐらいがメラトニンの分泌が最も多く、睡眠のゴールデンタイムと言えるのです。夜22時~2時までが睡眠のゴールデンタイムと言われることもありますが、大事なのは0時~3時ぐらいの間であり、この時間帯の眠りを充実化させることが重要です。

短時間睡眠法のウソ

巷では、超短時間睡眠法とか4時間半睡眠法といった類の睡眠本が出ておりますが、本当にそんな生活が出来るのでしょうか? 

例えば、エジソンやナポレオンは毎日4時間ぐらいしか眠らない、短時間睡眠者(ショートスリーパー)として有名ですが、その真偽は定かではなく、一説では、単に不眠症のために夜があまり眠れず、代わりに昼間に昼寝ばかりしていたという説もあります。

ナポレオン

世間には、ショートスリーパーと呼ばれる睡眠時間が6時間未満でも生活できる人もいますが、あなたがそれに当たるかどうかはわかりません。また、その方も、本当に健康を害することなく、かつ、日中、高いパフォーマンスを維持して生活出来ているかはわかりません。

ショートスリーパーの方は、眠りの浅いレム睡眠が短く、眠りの深いノンレム睡眠の時間はロングスリーパーの人とほとんど変わらない、しかも深い睡眠深度を得ていると言われています。つまり、夢をほとんどみることなく、短時間で疲労回復ができるということでしょう。

ただし、人はレム睡眠の間に記憶の整理・定着を図っています。レム睡眠は睡眠後半に多く出現することから、短時間睡眠の方は睡眠の大半をノンレム睡眠が占め、記憶の整理・定着が十分に行われない可能性があります。言い換えれば、何か新しいことを覚えようとしてもなかなか覚えられない、すぐに忘れてしまう、といったデメリットが生じる可能性があります。

また、疲れを取ってくれる成長ホルモンは寝入りばなの3時間に多く分泌されるので、短時間、たとえば4時間半睡眠でも分泌のピークは終わっていますが、分泌されたホルモンの作業時間が考慮されていません。大切なのは、成長ホルモンを十分に分泌させ、かつ、分泌された成長ホルモンを使うことなのです。

睡眠時間が短いと、せっかく分泌された成長ホルモンが全身に行き渡り、体のさまざまなところで修復の働きをする、その時間がありません。睡眠中は副交感神経が優位となり、血管が拡張し、血の巡りが良くなっている状態です。そのような時に成長ホルモンが分泌されると、それが体の隅々まで届き、体全身の修復が行われるのです。

また、短時間睡眠では、ほかのホルモンの働きも逃します。深夜から朝にかけて分泌されるコルチゾールというホルモンは、体の脂肪や糖分を分解し、睡眠中のエネルギーとして使う働きをしています。つまり、ダイエット効果が得られるのです。短時間睡眠で、かつ、早起きだと、このコルチゾールの働きを得られず、太りやすくなることもあるわけです。

例えば、4時間半睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル(1サイクル約90分)を3サイクルはクリアできるので、なんとか疲れた脳は休まるかもしれませんが、「疲労の回復」、「記憶の定着」ということを考えると不十分な睡眠時間であり、やはり7時間程度の睡眠は必要と言えるでしょう。

寝不足で仕事をすることは、「ほろ酔い」で仕事をすることと同じ

睡眠不足は良くない、というのは誰でも感じていることだと思いますが、例えば、睡眠不足によって、どの程度、仕事の能率は落ちるのでしょうか?

 グラクソ・スミスクライン株式会社(本社:東京都渋谷区)が、全国の20歳~59歳の有職男女(男性:800人、女性:800名)を対象に行った、睡眠に関する意識調査結果があります。

それによると、よく眠れた日の仕事のパフォーマンスを100%とした場合に、「あまりよく眠れなかったとき」の数値を調査対象者に聞いたところ、平均55%となり、睡眠不足がパフォーマンスを通常時の約半分に落としていたそうです。

もちろん、睡眠時間や仕事の内容、個人差などにより、一律、そして、具体的に「睡眠不足によって、これだけ仕事の能率が落ちる」とは、言えませんが、多くの人が睡眠不足だと、仕事の能率が半減してしまうと、これまでの経験から感じているのです。

また、カナダ・バンクーバーに拠点を持つFatigue Science社が行った研究結果からも似たようなことが言えます。その研究結果では、疲労や睡眠不足の状態にある人は、反応速度に40%の低下がみられ、これは血中アルコール濃度が0.08%の弱度酩酊、つまり「ほろ酔い」と同じ数値であったそうです。つまり、寝不足の人は、「ほろ酔い」状態で仕事をしていることになります。

酒

それでは、睡眠不足だと、なぜ仕事の能率は落ちるのでしょうか?これにも興味深い研究結果があります。

ペンシルバニア薬科大学のDavid Dinges氏らが行った研究によると、睡眠不足状態の脳の活動状態をfMRIで調べたところ、脳の複数のエリアでその活動が突然ストップすることを確認したそうです。

睡眠不足状態では脳が睡眠状態に陥るのを止めることができず、睡眠状態と覚醒状態が短期間の間に交互に繰り返される状態になり、その結果、集中力と視覚的処理能力が劇的に低下する、とのことです。

「マイクロスリープ」というものがあります。それは、「微小睡眠」とも呼ばれ、本人では起きていると思っていても、実際には数秒間、睡眠状態に陥ってしまうのです。知らず知らずに、経験したことがある人も多いのではないでしょうか?例えば、会議中に自分では起きていると思っていても、周りの人から「眠っていただろう!」と、言われたりしたことはありませんか?

この原因の多くは、極度の睡眠不足から生じるものですが、十分と思われる睡眠時間を摂っていても、睡眠時無呼吸症候群ナルコレプシー過眠症といった睡眠障害から生じることもあります。

寝不足で仕事をする場合、このマイクロスリープに近い形で、脳が途切れ途切れに休んでしまい、集中力や思考力が落ちてしまうのかもしれません。

睡眠時間が短いときは意識的にポジティブ(楽天的)に

世の中には、短い睡眠時間でも問題なく生活できるショートスリーパーと逆に平均より長い睡眠時間を必要とするロングスリーパーがいます。そして、その長短はその人の性格に左右される部分もあると言われています。

ショートスリーパーは外交的・社交的、楽観的な人に多いと言われています。それは、失敗や悩みに対して、くよくよせず、軽く受け流すことができる傾向があるため、脳の疲労が少なく、短い睡眠時間で疲労を回復できるのではないかと考えられています。

逆に、ロングスリーパーは、内向的で悲観的な人に多いと言われています。失敗や悩みを正面から受け止めるために、脳を酷使し、その疲労回復に時間がかかる分、睡眠時間も長くなると考えられています。

もしあなたの睡眠時間がどうしても短くなってしまうときは、意識的にポジティブ(楽天的)に物事を考えるようにしましょう。睡眠時間が短いときは、努めて、脳の疲労度を軽減させてやるのです。

睡眠負債の返済方法(休日遅寝の弊害)

睡眠時間が不足した場合、その不足分は負債のように溜まっていきます。これを「睡眠負債」といいます。

この負債の返済方法ですが、休日に一気に返済するより、時間が空いた隙間にコツコツ返済していく方法がおすすめです。例えば、お昼休みにこれまで外出して昼食をとっていたのをお弁当に替え、浮いた時間をお昼寝に使う。外出時の移動の時間を効果的に使う、といったことです。

いつも朝に起床するところを、休みの日には昼頃まで寝て、睡眠不足を補うというやり方は、睡眠のリズムを壊します。例えば、日曜日に昼頃まで眠ってしまうと、夜になっても起床時刻からあまり時間が経っていませんので、なかなか眠気は訪れません。よって、なかなか寝付けず、就寝時刻が遅くなり、結局、月曜日を寝不足からスタートさせることになります。

また、睡眠ホルモンである「メラトニン」は起床時刻と光の関係から、相応の時間を経て分泌されます。休みの日に遅寝をすると、その日の夜にメラトニンが分泌される時間が遅くなったり、分泌量が少なくなることから、なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなってしまうのです。

以上から、休日に睡眠負債を返済する場合は、いつもより少し早目に就寝するか、12時~15時ぐらいの間に短いお昼寝する方がその夜の睡眠に差支えがありません。平日と休日の起床時刻の差は、せいぜい1~2時間程度にとどめておきましょう。

また、来週から忙しくなるので、今のうちに寝だめをしておこう、というのも効果がありません。

貯金

寝だめはあくまで不足した睡眠時間を補う(睡眠負債を返済する)ものであって、貯金をしておくことはできません。かえって、その夜、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなって、結果として、疲れを残してしまいます。

最後に、いつもより少し早目に就寝する、という点でも留意が必要です。
眠気は、メラトニンの分泌に併せて22時頃から徐々に高まっていきますが、その前の時間帯である19~21時頃は体温が最も高く、眠気が最も少ない時間帯になります。

この時間帯は眠ろうと思っても、なかなか眠れない時間帯であることから「睡眠禁止帯」と呼ばれています。たとえ眠れても、メラトニンの分泌も少なく、体温も高いことから、深い眠りは得られません。つまり、成長ホルモンの分泌も少ないことから、疲れを効果的に取り除くことは出来ませんので、睡眠負債を返済したい場合でも、この時間帯は避けた方が無難です。
検索フォーム
カテゴリ
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。