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精神生理性不眠症

不眠の原因には、ストレスや不規則な生活習慣、睡眠環境の変化などいろいろありますが、通常、その原因が改善・解消されると自然と眠れるようになります。

ところが、それらの原因が取り除かれても不眠だけが残ることがあります。

例えば、「明日、早朝、大事な会議があるので早く起きなければ」、と思い、早目に床に就くが、いつもより早めに就寝しようとしているので、当然なかなか眠くならない。また、明日のことが気になり、さらに寝つきが悪くなる。

このような場合、次の日の大事なイベントが終わった後は、普通、夜になれば問題なく眠れるのだが、昨日なかなか眠れなかったことを気にし過ぎ、「また今日も眠れなかったら」と眠れないことそのものを恐れる不眠恐怖症のような状態に陥ることがあります。また、ベッドや寝室に入るのが嫌になる方もいらっしゃいます。

不安

そうなると眠ろうとすればするほど眠れなくなる悪循環に陥ります。これが精神生理性不眠症という睡眠障害です。

睡眠外来に訪れる不眠症患者の約3割弱がこの「精神生理性不眠症」と診断されており、最も多数を占めております。

このような方は、眠ることにあまりこだわりすぎないことが大切です。
例えば、この障害を持つ人は、テレビを見ていたり、読書中や音楽を聴いているときに容易に眠りに落ちることがあることがあります。

眠ることに意識を集中させず、眠る前に自分がリラックス出来るようなことを行い、それでも眠くならなければ、諦めて眠くなるまで起きているのも方法です。たとえ睡眠時間が少なくなっても、毎朝起きる時間は同じにしておくことによって、睡眠不足が溜まっていきますので、通常、翌日以降は寝つきが良くなります。

そのようにしていくことで眠れないことへの恐怖を減らして行きましょう。ただし、それでも不眠の状態が続く場合は、医療機関で受診したほうがよいでしょう。
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睡眠状態誤認(逆説性不眠症)

睡眠状態誤認とは、眠れないと悩みを抱えているにもかかわらず、実際には本人の認識よりも眠れている状態の睡眠障害です。

例えば、夜全然眠れなかったと訴えている人が、実際に医療機関で終夜睡眠ポリグラフ検査を行ってみると問題なく6時間ぐらい眠れているといったように、睡眠時間についての自己評価が悪いことをいいます。

不眠を訴えているのに検査では睡眠障害とはみなされないため、逆説性不眠症とも言われています。

背景にうつ的な特性があったり、自分の身体的機能に対して強迫的、神経症的に意識過剰になり、不眠に対して妄想的な解釈をしてしまうためではないかという説があります。

また、高齢になるにつれて、生理的に睡眠時間が短くなったり、眠りが浅くなったりしますが、それが普通だと理解できず、若い頃と比べてしまい、自分は不眠であると悩んでいることも考えられます。

まずは、医療機関で終夜睡眠ポリグラフ検査を行い、自分の実際の睡眠状態を客観的に知ることが大事です。また、検査を受けて、正常に睡眠が取れていることがわかっても、やっぱり眠れていないと感じてしまう場合は、眠りに対する認識を変えるような治療が必要となってきます。

関連記事:不眠症の本質は「睡眠時間の誤認」である (NATIONAL GEOGRAPHIC)

特発性不眠症

通常、不眠症には、ストレスや不規則な生活習慣、睡眠環境の変化など原因となるものがあります。

ただし、稀にそのような原因もなく、特段ショッキングな事件に会ったわけでもなく、突然不眠症になることがあります。

このような不眠症は、特発性不眠症と呼ばれ、いわば生まれつきの不眠症です。幼少の早い時期に発症して、ストレスや緊張で症状が悪化することはありますが、軽くなることはなく、生涯にわたって一定の不眠が続くのが特徴です。

継続して不眠の状態が続きますので、精神的・肉体的に疲れが蓄積しやすく、免疫力が落ちたり、日中の活動に大きな支障を生じることもあります。

また、薬物治療に対して拒否反応を示すことも多く、抑うつになり、注意力や集中力などの低下を招きます。

原因としては、脳内の睡眠と覚醒とを調節する機能が正常に機能していないことから生じると言われており、今のところ決まった効果的な治療法はありません。

眠れないことを気にし過ぎないようにするとともに、治療においては、睡眠についての生活習慣を指導する睡眠衛生教育精神療法などが主に行われます。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まる病気です。

医学的には、7時間以上の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上(もしくは睡眠1時間に平均5回以上)見られると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

そのタイプには閉塞型(空気の通り道が閉じられる)、中枢型(循環器系の異常による呼吸停止)、2つの混同型がありますが、最も多いケースが閉塞型となります。

閉塞型は睡眠中に舌や喉の筋肉がゆるみ、舌根が落ち込み、肥満や顎が小さいなどの形状的異常により狭くなった気道をさらに閉じてしまうことから起こります。

睡眠中にこのような無呼吸の状態になると、酸素が十分に供給されないことから、睡眠中に苦しくて目が覚めたり、浅い眠りが多くなり、十分な時間睡眠をとっても十分に休息した感じがしません。

このような状態が続くと、日中に強い眠気を感じるなど、日常生活に支障をきたすだけではなく、高血圧症や動脈硬化、脳梗塞、糖尿病の悪化などの他の病気を併発する危険を高めます。

米国の調査では、米国内でSASに関連した心血管系の障害により死亡する患者が毎年約4万人、そのうち高齢者の死亡率が健康な人の2.7倍にもなることが明らかにされています。

いびきをかく人は日本で約2,000万人いるとされ、そのうち約300万人が睡眠時無呼吸症候群ではないかと疑われています。その数は年々増加の一途をたどっておりますが、実際に治療を受けている方はわずかに6万人程度です。

SASは1時間当たりの無呼吸の回数に基づいた「無呼吸・低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index:AHI)」によって、重症度の目安が示されます。AHI5~15が軽症、15~30が中等症、30以上が重症です。

なお、次のA、B、Cの症状が認められる場合は、この疾患の疑いが高いため、専門医の受診が望まれます。

A. 強い眠気がある。時として、患者はそれらの症状を自覚しないことがありますが、その場合には周囲の者によって症状が観察されます。

B. 睡眠中に閉塞性の呼吸停止が頻回に生じる。

C. 随伴症状
 1. 大きなイビキ
 2. 朝の頭痛
 3. 覚醒時の口渇
 4. 幼児においては、睡眠中の胸壁の陥没

また、中枢性睡眠時無呼吸症候群の場合、睡眠中に呼吸運動の停止、あるいは減弱が生じ、通常、酸素飽和度の低下を伴います。この疾患では、中途覚醒が主体の不眠を訴えることが多いです。

夜のうちに数回の中途覚醒が生じますが、息を吸おうとあえいだり、窒息感を伴う場合があり、日中の疲労感、倦怠感が見られます。

次のA、B、Cの症状が認められる場合は、この疾患の疑いが高いため、専門医の受診が望まれます。
A. 不眠または過度の眠気の訴え。患者は時として臨床症状を自覚していません。

B. 頻回に生じる睡眠中の浅い呼吸ないし呼吸の停止。

C. 少なくと次のうち1つの随伴特徴を示します。
 1. 睡眠中のあえぎ、うなり声、窒息感
 2. 頻繁な体動
 3. 睡眠中のチアノーゼ

なお、中枢性睡眠時無呼吸症候群は閉塞性睡眠時無呼吸症候群と比べて、酸素飽和度の低下も軽度であり、心循環器系の合併症も少ないですが、無呼吸の頻度が高く、不眠や過眠の自覚症状を伴う症例では治療が必要となり、CPAPや薬物療法がおこなわれます。

ナルコレプシー

ナルコレプシーは、日中耐えがたい眠気が急激に発生し、どんな状態でも突然眠ってしまう睡眠障害です。その睡眠発作から「居眠り病」としても知られています。

突然耐えられない眠気に襲われ、15分から20分眠ると、気分がすっきりしてまた目を覚ましますが、2、3時間もすると、また眠気に襲われ、これを日中ずっと繰り返します。

また、笑い、喜び、怒りなどの感情が高ぶると、ろれつが回らなくなったり、体の力が抜けて、ぐったりとした状態になったりする「情動脱力発作(カタプレキシー)」を誘発することもあります。

この情動脱力発作は、通常、数秒から数分継続し自然に回復します。しかしときにはそのまま睡眠におちいり入眠時幻覚をみたり、睡眠麻痺(金縛り)が続いたりします。発作の頻度は、1日に数回から1週間に数回など人によりさまざまです。

ナルコレプシーを患っている方は、通常であればノンレム期を経た後で発生するレム睡眠が入眠直後に発生することから、入眠時に金縛り・幻覚・幻聴の症状が発生することが多くなります。1日の総睡眠時間は普通の人とあまり変わりませんが、夜間の睡眠も浅くなりやすく、夢(とくに悪夢)を見る回数が増えます。当然、熟睡感は得られません。

日本人のナルコレプシーの有病率は0.16%(600人に1人)という報告があります。発症期は主に15歳前後が多く、40歳以上の発症はあまりありません。

ナルコレプシーの原因としては、現段階では、神経伝達物質オレキシンをつくる神経細胞の後天的な破壊に伴う神経伝達障害によって生じるといわれています。

治療としては、まず生活習慣の改善(毎日同じ時間に起床)指導が行われ、それを補助するために少量の睡眠導入剤や精神安定剤を使用した薬物療法が行われます。

薬物療法により夜の睡眠を安定させ、さらに日中は、中枢神経刺激薬を使用することで、日中の居眠りをほとんどなくし、通常の社会生活が可能となります。

ただ現段階ではナルコレプシーの根本的治療法はなく、あきらめずに根気よく治療を続け、徐々に薬の量を減らせるようにすることが必要です。

周期性四肢運動障害 (periodic limb movement disorder:PLMD)

周期性四肢運動障害とは、眠っている間に手足が周期的にけいれんして、そのために眠りが浅くなり、夜中に何度も起きてしまう睡眠障害です。

筋肉の瞬間的な痙攣のことを専門的には「ミオクローヌス」と呼び、本障害は別名、「睡眠時ミオクローヌス症候群」とも呼ばれます。

つま先や足首のピクピクした動き、素早い膝の屈伸(蹴るような運動)を繰り返します。

1回の運動の持続は0.5~5秒で、20~60秒間隔で出現します。中高年に多く、加齢とともに頻発し、60歳以上の成人の約3割、また、妊娠中の女性でも2割近くに発生するといわれています。

ただ、障害を抱えている本人は不眠や昼間の眠気といった自覚はあっても睡眠中に自分がけいれんしているかどうかはわからないので、いわゆる不眠症として認識されることも少なくありません。

原因ははっきりと判明していませんが、脳の中枢神経系であるドーパミン神経伝達物質の機能障害によるものではないかと言われています。また、抗うつ薬を摂取しているときや辞めたとき、腎・肝不全の人、妊娠中の人、鉄分不足による貧血の人などにも発症することがあります。

似たような病気として、むずむず脚症候群がありますが、むずむず脚症候群の場合、起きている時に脚がムズムズするので、本人に自覚があります。一方で周期性四肢運動障害は眠っている時に発症するので、本人に自覚がないという違いがあります。

また、むずむず脚症候群の人の多くが周期性四肢運動障害を併発しています。

医療機関にて睡眠ポリグラフ検査を行い、睡眠中の手足のけいれんが1時間に15回以上発生していた場合、周期性四肢運動障害と診断され、睡眠中のけいれんを抑制するための薬物治療が行われます。

また、運動をしたり、カフェインの摂取を控えたり、脚を温めたり冷やしたりすることで症状が緩和することもあるようです。

むずむず脚症候群(restless legs syndrome:RLS、レストレスレッグス症候群)

むずむず脚症候群は、夕方から夜間にかけて足に虫がはうようにむずむずしたり、痛みを感じて眠れなくなる睡眠障害です。レストレスレッグス症候群や下肢静止不能症候群とも呼ばれたりします。

足を動かすことで症状は緩和しますが、眠りかけたときに起こりやすく、じっとしていられず、起き出して歩き回ったり、足をこすりあわせたりして、なかなか眠れなくなってしまうため、入眠障害や熟睡障害、中途覚醒のような睡眠障害の要因となります。

治療が必要とされる日本人の患者数は約200万人と推定されており、小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症します。とくに40代半ば以降の女性に多く、患者数は男性の約1.5倍といわれています。

むずむず脚症候群の正確な原因はまだ不明ですが、脳内で鉄分が欠乏することにより、ドーパミンという神経伝達物質(脳への情報の受け渡しを行う)の分泌量が減り、情報を正しく伝えられなくなることから、誤った情報が脳に伝えられ、身体の感覚に異常を感じると言われています。

鉄欠乏性貧血、尿毒症、心不全、糖尿病、下腿静脈瘤、痛風、高コレステロール血症、慢性腎不全、周期性四肢運動障害など、様々な疾患と合併して起こることが多いため、足に異常な感覚を感じている方は早めの専門医の診断が必要です。

治療はパーキンソン病の治療薬「プラミペキソール」がむずむず脚症候群の適応薬として2010年に認可され、寝る前に1錠服用するだけで約8割の患者さんに劇的な効果があらわれます。

また、その他、鉄剤補充、抗てんかん薬のクロナゼパムなどが使用され、薬物療法でほとんどの患者さんの症状が改善します。

<むずむず脚症候群と周期性四肢運動障害のみられる身体条件、誘因と疾患>
妊娠中、鉄欠乏性貧血、慢性腎不全(特に透析中)、胃切除後、うっ血性心不全、慢性関節リウマチ、パーキンソン病、多発神経炎、脊髄疾患、葉酸欠乏、ビタミンB欠乏、バルビタール系薬剤の離脱期、三環系抗うつ薬、カフェイン

関連サイト:むずむず脚解消ナビ

睡眠不足症候群

睡眠不足症候群とは、慢性的に必要な睡眠時間を確保することが出来ておらず、日中の生活に支障をきたしているにも関わらず、本人にその自覚がないような状態の睡眠障害です。

頑張り屋・几帳面・完全主義的なタイプの方に多く、眠気を自身の怠け(気の緩み)と捉え、睡眠が不足しているという自覚がないため、疲れや体調不良が睡眠不足から来ていることがわかりません。

睡眠不足により、身体面では食欲不振や便秘・下痢などの胃腸障害、頭痛やめまい・震えなどの自律神経症状、筋肉痛や肩こりなど骨格筋の疲労回復遅延が症状として現れることがあります。

精神面では、注意・集中力の低下、意欲低下、抑うつ気分、倦怠感、いらいらや気分不快、不安・焦燥感などが見られることがあります。このような二次的な症状がきっかけとなり、医療機関を受診する方もいますが、症状の原因を認識していないために医療機関への受診が遅れることがあります。

治療としては、睡眠日誌をもとに生活指導を行い、不足している睡眠時間を延長・確保したり、望ましい睡眠環境などについてのアドバイスを行います。なかには就寝時刻を早めてもなかなか眠りにつけない場合がありますので、その場合には短時間作用型の睡眠導入剤を処方して入眠しやすくすることもあります。

概日リズム睡眠障害 <時差症候群(時差ぼけ)>

時差症候群は、数時間以上時差のある地域を飛行機などで短期間で移動したときに発生する一時的な概日リズム睡眠障害で一般的には時差ぼけと言われています。

人は24時間を1周期とするリズム(概日リズム)によって生活しており、それは脳にある体内時計でコントロールされ、夜になると自然に眠くなるようになっています。

ところが、時差のある地域に短時間で移動すると体内時計がすぐに適応できず、現地時間と体内時計にズレが生じてしまいます。

現地時間で夜になっても眠くならず、なかなか眠れなかったり、逆に日中は眠気に悩まされてしまうといった症状です。

体内時計は、それを早めるよりは、遅らせる方が簡単な傾向があるため、1日の周期を後退させる東から西(日本からヨーロッパ)への移動の方が、周期を前進させる西から東(日本からアメリカ)への移動より身体への負担は少なくなります。

時差症候群はあくまで一過性の睡眠障害ですので、個人差はありますが、現地の滞在時間が長くなるにつれて徐々に軽減され、通常1週間から10日ぐらいで不眠や日中の眠気はなくなります。

なお、時差ぼけ解消の基本的な対策としては、日中、太陽の光を浴びたり、現地の時間帯に合わせて食事や社会活動をして、出来るだけズレてしまった体内時計のリズムを現地の時間帯に合わせるようにすることですが、移動先によって対策が異なることもあります。

東向け(例:日本⇒アメリカ西海岸)の場合、到着1日目は午前中ホテルの部屋でカーテンを引いて仮眠し、機内での寝不足を解消します。そして午後は眠くても起床して、外に出て太陽の光を浴びるようにします。

なお、東海岸のように午後から夕方にかけて到着する場合は、到着後、現地の夜までは睡眠を出来るだけとらず、現地の時間帯に合わせるようにします。

逆に西向け(例:日本⇒ヨーロッパ)の場合、睡眠の時間帯を後らせることは早めることより簡単であることから、現地の夜までは睡眠を出来るだけとらず、現地の時間帯に合わせる、といった方法をとるといいでしょう。

もし、2週間以上に経っても症状が持続する場合は、時差以外を原因とした睡眠障害の可能性がありますので、専門医を受診してみましょう。

概日リズム睡眠障害 <睡眠相後退症候群>

睡眠相後退症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome:DSPS)とは、睡眠の時間帯(睡眠相)が通常より数時間後退し、その後退してしまった時間帯でしか眠ることの出来ない症状です。概日リズム障害の一つにあたります。

毎日、夜中の4~5時ぐらいまで眠ることが出来ず、朝は起きられない、起きたとしても睡眠不足から、日中に極度の眠気を覚え、日常生活に支障をきたしてしまう、そのような状況が1カ月以上続くと睡眠相後退症候群と診断されます。

睡眠相後退症候群の多くは思春期や青年期に発症します。多くの原因は、試験勉強やゲームなど、何らかの理由で夜更かしをして、そのまま夜型の生活が定着してしまいます。

睡眠相後退症候群の特徴としては、通常の時間帯での入眠困難・覚醒困難は見られるものの、時間帯の制約がない場合は、睡眠の質と量は正常であり、毎日、後退してしまった決まった時間に眠り、決まった時間に自発的に覚醒できることがあげられます。

日本で行われた、調査によると高校生の250人に1人、20歳代以降の成人の1,000人に1人が睡眠相後退症候群であるといわれています。

睡眠相後退症候群の治療には、まず時間療法があげられます。人の概日リズムはおよそ24時間を1周期としたリズムをもっていますが、実際は24時間より少し長い周期になっていることから、就寝時間を早い時間帯にズラしていくより、遅い時間帯にズラしていく方が適応しやすくなっています。

そこで、時間療法では、通常の就寝時間に戻るまで、毎日3時間ぐらい、就寝時間を遅らせて行きます。

この治療は睡眠環境を整え、睡眠時間を正確に後退させていく必要があるため、自宅での実施が難しく、2週間ぐらいの入院によって行われます。そして、この治療法によってほとんどの方は概日リズムの修正が可能です。

また、人は毎朝、光を浴びることによって、概日リズムのズレを修正していることから、毎日午前6時から9時ぐらいの間に約2時間程度、2,500ルクス以上の光を受けることにより、概日リズムの修正をする高照度光療法も行われます。

5,000ルクス以上の高照度光を2時間ほど早朝に浴びることで、翌日には1~2時間ほどの生物時計の前進が期待されるといわれています。

睡眠相後退症候群の治療には、睡眠薬、メラトニン、ビタミンB12などの投与(薬物療法)も行われます。

メラトニンは睡眠を促す働きを持つ「睡眠物質」の一つであり、概日リズムを調整する作用もありますが、日本ではまだ試験的に用いられている段階でまだ薬剤として認可されていません。

ビタミンB12は日中の深部体温を上昇させ、体内時計の光感受性を高めると考えられており、牛乳、豚肉(レバー)、豆腐、魚介類に多く含まれています。

概日リズム睡眠障害 <非24時間睡眠覚醒症候群>

非24時間睡眠覚醒症候群とは、毎日同じ時刻に就寝することが出来ず、毎日30分~1時間ぐらい睡眠の時間帯が遅れていく症状です。

人は24時間を1周期として、朝起きて、日中活動を行い、夜就寝するといったリズム(
概日リズム)によって毎日の生活を行っています。

このリズムは、脳にある体内時計でコントロールされておりますが、体内時計は24時間よりも10分ぐらい長い周期をもっています。

そのため、毎日少しずつ概日リズムにズレが生じてしまうのですが、人は毎朝、太陽の光を浴びることによって、このズレを調整しています。

非24時間睡眠覚醒症候群とは、この調整機能がうまく働かず、毎日少しずつ、睡眠の時間帯(睡眠相)が遅れて行く症状です。

体内時計と実際の時間帯との間に毎日少しずつズレが生じてくるため、通常の時間帯で生活しようとした場合、入眠困難または覚醒困難が生じてきます。

この状態が6週間以上継続した場合、非24時間睡眠覚醒症候群とみなされます。

毎日の睡眠相のズレは30分~1時間程度の場合が多いですが、毎日3時間近く遅れる症例や、日によって遅れる時間が1~3時間程度の範囲で変動する症例もあります。

比較的まれな疾患であり、視覚障害者や1日中室内に閉じこもっている方にみられることが多いようです。

非24時間睡眠覚醒症候群の治療としては、睡眠相後退症候群など他の概日リズム睡眠障害の治療と同じように、生活指導、時間療法高照度光療法、薬物療法などが併行して行われます。

概日リズム睡眠障害 <交代勤務睡眠障害>

交代勤務睡眠障害は、交代勤務、夜勤勤務などによって、通常、睡眠をとるべき時間帯である夜間に活動をし、日中に睡眠を取らなければならないような環境から発生する睡眠障害です。

交代勤務就労人口が日本では全就労人口の20~30%にのぼり、そのうちの80%が睡眠障害を訴えていると推計されています。

人の身体は、体内時計によって、日中活動をし、夜は眠るようにコントロールされています。
そして、体温も体内時計に併せて上がったり、下がったりします。

昼夜逆転した生活を送ると、この体内時計及び体温に反した生活を送るわけですから、入眠障害・熟眠障害・中途覚醒などの睡眠障害といった悩みを抱えやすくなってしまいます。

交代勤務への対処としては、睡眠のリズムは、時差症候群と同様に、1日を長くする方が生体リズムへの負担が少なくなりますので、日勤→準夜勤→深夜勤というように、時間を後退してずらすようにローテーションを組み、休日は日勤明けより、深夜勤明けに多めに取るようにすると睡眠リズムのズレを修正しやすくなります。

また、人は朝太陽の光を受け、その光が感知されると、セロトニンというホルモンが活性化され、眠気を抑えてくれます。そしてその14~16時間後にメラトニンという睡眠ホルモンに代わり、その2~3時間後に眠気をもよおします。

よって、夜勤時には出来るだけ職場の照明を明るくし(1,000lux程度)、可能であれば、朝方に近づくにつれて照明を少し弱めにしておく、そして、夜勤明けの帰宅途中はサングラスなどで太陽の強い光を避ける、寝室には光があまり入らないように遮光カーテンを取り付ける、といったことを行うだけでも夜勤明けの睡眠がとりやすくなります。

また、朝から午後にかけて体温は上がっていきますので、帰宅後は体温が上がりきる午後になる前に、出来るだけ早めに就寝することが望ましいでしょう。

場合によっては、朝帰宅後、食事を摂らずにすぐに数時間睡眠をとり、日中少し活動し、夜勤前に再度仮眠をとる、といった分割睡眠によって効率的、かつ質の高い睡眠を得られることもあります。

概日リズム睡眠障害 <不規則型睡眠・覚醒パターン>

不規則型睡眠・覚醒パターンとは、体内時計が正常に機能しないことから、昼夜問わず、眠気が発生し、また、就寝しても睡眠が持続しないことから、毎日の睡眠が分断化され、一日に3回以上もの不規則な睡眠を必要とする睡眠障害です。

先天性脳障害児、脳梗塞・脳炎・脳卒中などの患者、認知症の高齢者など脳の機能に障害のある人が社会的接触の少ない環境に置かれると生じやすく、身体疾患のため寝たきりの生活を余儀なくされる場合にみられることもあります。

また、最近では、夜勤・交代勤務など、長期間、夜に睡眠を取らず、昼に眠る生活をしていると発症するケースもあると言われています。

睡眠と覚醒の出現が昼夜を問わず不規則になり、夜間の不眠と日中の眠気、昼寝の増加がみられます。

本症候群は脳器質的障害が重傷な症例に合併しやすく、治療が困難な場合も少なくありません。

まずは光により生体リズムを同調させ、メリハリをつけるために、日中は日当たりのよい部屋への移動や日光浴などをするように生活指導や高照度光療法、それらと併行して薬物治療(ビタミンB12、短時間型睡眠薬など)が行われます。

概日リズム睡眠障害 <睡眠相前進症候群>

睡眠相前進症候群とは、慢性的に睡眠の時間帯(睡眠相)が通常より前進した(早くなった)状態の睡眠障害(概日リズム障害)です。

例えば、夕方の6~8時ぐらいに眠り、1~3時ぐらいに目覚めるといった習慣が1カ月ぐらい持続している状況です。

夕方になると眠くてたまらなくなり、そのまま眠ってしまい、深夜に目が覚め、そこから眠れなくなります。高齢者に多く見られる睡眠障害です。

人の生体リズムは24時間より少し長い周期を持っておりますが、毎日光を浴びることでそのズレを24時間に修正しています。

しかし、何らかの理由で、その修正がうまく機能しなくなることによって、睡眠相前進症候群のような概日リズム障害になります。

治療法としては、夜眠くなる時間帯に強い光を浴びる高照度光療法を行うとともに、朝はサングラスなどをして、出来るだけ起床後すぐに太陽の光を目に取り込まないようにして、睡眠の時間帯を遅くしていきます。

概日リズム睡眠障害(CRSD:circadian rhythm sleep disorder)

人は24時間を1周期とする概日リズム(サーカディアン・リズム)という生体リズムを備えており、脳にある体内時計がこのリズムをコントロールしています。

朝起床し、日中活動し、夜就寝する、という生活(睡眠)リズムはこの概日リズムに基づいています。

ところが、この概日リズムに障害が発生することによって、睡眠障害となり、通常の生活に支障をきたすことがあります。これを概日リズム睡眠障害といいます。

たとえば、眠りたい時間に眠ることができず、就寝の時間帯が遅くなり、それに併せて起床する時間も遅くなってしまう、また、逆に眠りたくない時間帯に眠くなり、早い時間帯に就寝し、夜中に目覚めてしまう、などといった状態が続き、この時間帯のズレた状態から抜け出せないような状況です。

概日リズム睡眠障害には、時差症候群交代勤務睡眠障害といった主に外因によって生じる一過性のものと、睡眠相後退症候群睡眠相前進症候群非24時間睡眠覚醒症候群といった内因によって生じる持続性のあるものに分かれます。

過眠症

過眠症とは、慢性的に長時間の睡眠を必要とし、また、十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中、過度の眠気に悩まされる症状です。

過眠症状の他に、頭痛、失神、立ちくらみ、四肢の冷感、頻脈など自律神経系の働きが不十分であることを示す随伴症状も多くみられます。

過眠症は一般的に以下の3つに分けられます。

①反複性過眠症:
昼夜を問わず不定期に、1日に18時間以上眠るような過眠期が数日から数週間続き、この時期が終わると症状が全く消失し、年に1~10回発症を反復する稀な過眠症です。

思春期(10代初期)によく発症します。病相期の脳波記録では、基本となる背景脳波の全般的な活動低下が見られるなど、ナルコレプシーなど他の過眠症とは全く違う病気です。

最も代表的なのは、クライネ・レビン症候群と呼ばれるもので、過眠症の反復的病相期に明らかな行動的異常を伴います。

この異常行動には、無茶食い、性欲亢進、怒りっぽい、攻撃的、奇行などがあります。少女の場合、初潮後数カ月以内に発症し、月経の周期と一致した傾眠(睡眠に入る前のうとうとしている状態)の症状を示すことから、「月経関連過眠症(月経随伴睡眠障害)」ともいわれます。

原因が不明なため、治療は難しいですが、成人になると治癒する傾向にあるようです。

②突発性(原因のわからない)過眠症:
ナルコレプシーに似ていますが、情動脱力発作がありません。日中、過度の眠気を感じるのと、適切でない時に眠りこんでしまいます。

また、10~20分程度の短い居眠りの後にさっぱりと覚醒するナルコレプシーとは異なり、居眠りすると1時間以上眠り続け、目覚めさせることが難しい、といった特徴があります。

主に10代から20代前半に発症します。また、頭痛、めまい感、立ちくらみ、ほてり、発汗、レイノー症状(手や足の小さな動脈の血流不足が発作的に発生し、「冷感」や「皮膚色の変化」が見られます)など、自律神経系症状や抑うつ気分になることがあります。

このような過眠症状が出現する前に頭部外傷や発熱などのウィルス感染などがあり、症候性の過眠症が混じっていることもあります。

③外傷後の過眠症:
頭に怪我をしたときに起こります。ふつうは頭痛や集中力と記憶力の低下のような、外傷からくる頭の機能障害を伴います。

通常、機能障害の直後に始まりますが、場合によっては、半年から1年半も経ってからあらわれることもあります。

その他にただたくさん眠る「健常な」過眠症の人もいます。睡眠時間が10時間以上というように特別に長く、それぐらい休まないと十分に休んだという気がしないのです。

この場合に問題となるのは睡眠時間が長いことから生活時間が合わなくなり、日常生活に支障をきたすことです。

過眠症の治療は、まず夜間睡眠をきちんと確保し、それでも残る日中の居眠りの治療に精神刺激薬を用います。

ただし、精神刺激薬はあくまで対処療法であり、症状をコントロールするのは難しい場合が多いようです。
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