スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

選定療養費とは?(紹介状が必要な医療機関がある)

受診する医療機関によっては、高度医療を提供する「特定機能病院(厚生労働省認定)」に該当する場合があります。

そのような医療機関を始めて受診する際には、原則として他の医療機関からの「紹介状(診療情報提供書)」が必要となります。

紹介状

紹介状がなくても受診することが可能な場合もありますが、初診料のほかに選定療養費がかかります。

選定療養費とは、初期の治療は地域の医院・診療所などで、高度・専門医療は200床以上の病院で行うという医療機関の機能分担を目的として厚生労働省が制定した制度です。この場合、患者さんがあえて大規模病院を選択したということで、保険適用外の全額自己負担の特別料金がかかるということになります。

なお、選定療養費の金額については、医療機関によって異なりますが、その多くは3千円~5千円(税抜)程度となります。

受診に当たっては、あらかじめ、かかりつけ医に相談するか、事前に電話にて問い合わせをして、受診すべき科、予約の要不要、紹介状の要不要などを確認しましょう。
スポンサーサイト

睡眠障害の場合、何科を受診すべきか?

睡眠障害とは、睡眠に何らかの障害がある状態のことをいい、不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれます。

また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられますが、「いびきや睡眠時無呼吸症候群」と「その以外の睡眠障害」に分けた場合、

・いびき・睡眠時無呼吸症以外・・・精神科、精神神経科、心療内科など
・いびき・睡眠時無呼吸症・・・呼吸器内科、耳鼻咽喉科など

が無難な選択と言えるでしょう。

精神科

また、最近では、睡眠障害を専門にした「睡眠外来」、「いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来」などもあり、そのほとんどは、睡眠に関する専門的な知識を持つ、睡眠専門医が勤務しています。

睡眠障害の原因はしっかり調べてみないとわからないことが多いため、専門の知識を持った睡眠専門医がいる医療機関を受診するのがベストな選択と言えます。インターネットなどで近くにそのような専門外来がないか調べてみましょう。

日本睡眠学会認定医とは?

日本睡眠学会では睡眠医療の普及と向上を促すことを目的に「睡眠医療認定医師」を認定する制度を設けております。

日本睡眠学会

もちろん認定医以外にも十分な知識と経験を持った医師もいますが、日本睡眠学会が認定する医師はその厳しい条件をクリアした医師であることから、睡眠に関する豊富な知識と経験を有しており、睡眠障害で悩む方が、医療機関を選択する際に安心して選べる一つの基準ともなります。

なぜなら睡眠に関する十分な知識や経験を持たない医師では、あなたが抱える睡眠障害に対して正しい治療が行われない可能性もあるからです。インターネットで近くの医療機関で認定医がいないか探してみましょう。

なお、日本睡眠学会認定医になるには、下記のような条件があります。

・臨床医として医師免許取得後、6年間 以上の医療に関する実地経験を有すること。

・学会認定医の指導のもとで、睡眠医療に関する2年間以上の臨床経験を有すること、あるいは、それと同程度以上の睡眠医療に関する臨床経験を有すること。

・日本睡眠学会の3年間以上の会員歴を有し、日本睡眠学会および関連する国際的睡眠学会の定期学術集会に3回以上は参加していること。

・睡眠医療についての幅広い知識と診療能力を有するとともに、睡眠ポリグラフ検査等の睡眠医療に必要な検査を実施し、睡眠ポリグラフ記録を判読する能力を有すること。

また、常に最新の睡眠知識を有するように、その資格の更新についても厳格に定められています。

日本睡眠学会認定医療機関とは?

日本睡眠学会では睡眠医療の普及と向上を促すことを目的に「睡眠医療認定医療機関」を認定する制度を設けております。もちろん、認定を受けていない医療でも睡眠障害の受診は可能ですが、睡眠障害の方が医療機関を選ぶ際に安心して選べる一つの基準にもなります。

病院ロビー

認定医療機関には、

A型(睡眠障害全般)
「睡眠障害の医療」を行う医療機関(病院の診療部門、診療所、クリニックなど)

B型(いびき・睡眠時無呼吸症候群)
「睡眠呼吸障害の医療」を行う医療機関(病院の診療部門、診療所、クリニックなど)

の2種類があり、認定医療機関となるためには、学会認定医の数、睡眠ポリグラフ検査の有無、病床の有無、他の医療機関との連携など、様々な厳しい条件が定められています。また、それぞれに症例数の条件もあります。

A型:
睡眠障害の全般(睡眠障害の国際的診断分類第2版 ICSD-2 の診断カテゴリーによる)を診療の対象とし、睡眠ポリグラフ検査(MSLTを含む)を年間50症例以上およびMSLT検査を年間5症例以上行えることを条件とする。

B型:
睡眠時無呼吸症候群、および、その関連疾患を診療の対象とし、睡眠ポリグラフ検査を年間50症例以上行えることを条件とする。

睡眠ポリグラフ検査とは?

睡眠ポリグラフ検査とは、睡眠障害の診断に用いられる検査の一つです。

睡眠時における脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図、酸素飽和度、胸壁の運動、腹壁の運動などを記録するものです。

○終夜睡眠ポリグラフ検査
May21-1.jpg
(画像元:睡眠総合ケアクリニック代々木

一泊二日で、夜間の睡眠を測定し、睡眠障害の原因と程度を把握する検査です。

睡眠の状態、呼吸の状態、心電図、睡眠中の姿勢、下肢の動きなどの体の動きなどを一晩中記録します。睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害、レム睡眠行動障害などの診断には欠かせない検査です。

費用は医療機関によって異なりますが、大体、3割負担で約1万5千円~2万円程度です。


○反復睡眠潜時検査(MSLT)
May21-2.jpg
(画像元:睡眠総合ケアクリニック代々木)

昼間の眠気の強さを客観的に評価し、入眠過程に異常はないか、脳波に異常がないかなどを調べる検査です。

通常、終夜睡眠ポリグラフ検査の翌日(日中)に、1回約20分間の睡眠ポリグラフ検査を2時間間隔で一日4回~5回繰り返し行います。

ナルコレプシーなどの過眠症の診断には欠かせない検査であり、2008年4月より、ナルコレプシーと特発性過眠症の眠気水準の検査を目的としたMSLTに対して保険が適用されるようになりました。

費用は医療機関によって異なりますが、大体、3割負担で約1万5千円~2万円程度です。


○携帯型ポリグラフ装置による検査
睡眠時無呼吸症候群の有無と、その重症度の見当をつける簡易検査法です。

睡眠状態は検査できず、終夜睡眠ポリグラフ検査ほど詳細で正確な診断はできませんが、入院の必要はなく、装置を借りて自宅で簡易検査を行うことが出来ます。

睡眠日誌

睡眠日誌は、自分が何時に床に入って、何時に眠り、何時に起床したかなど、その日の睡眠状態を記録したものです。途中で目が覚めた回数や昼寝した場合はその時間帯など、その他日中や就寝前に行った気になることを毎日記録していきます。

自分の睡眠状態を客観的に把握することで現在抱えている睡眠についての悩みの原因が特定出来たり、対処法を考えやすくなります。

医療機関への受診に際しては、自分の睡眠日誌を持参することで医師も症状を早く把握することが出来ます。受診前に睡眠日誌の記録を依頼している医療機関もあります。

日誌がダウンロードできる医療機関のサイトや睡眠情報サイトもあるので一度自分の睡眠日誌をつけてみましょう。

日本大学医学部付属板橋病院睡眠センター 睡眠日誌ダウンロード
May21-3.jpg

スイミンネット Sumin.net 睡眠日誌ダウンロード
May21-4.jpg

睡眠衛生指導とは

睡眠障害の治療を行う上でまず行われるのが睡眠衛生指導です。患者さんとの対話から、現在抱えている睡眠に関する悩みを詳しく聞くとともに、睡眠の関する正しい知識を指導していきます。

睡眠薬といった薬物療法を含め、どのような治療を行っても、患者の方が睡眠に関する誤った認識を持っていれば、障害はなかなか克服されません。

睡眠衛生指導では、睡眠に関する基礎知識から、快適な睡眠を得るための生活習慣や寝室環境などについての指導が精神療法の一環として行われます。

指導

以下は、厚生労働省委託研究班による「睡眠障害対処12の指針」です。

①睡眠時間は人それぞれ、日中眠気で困らなければ十分
睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない。歳をとると必要な睡眠時間は短くなる。

②刺激物は避け、眠る前には自分なりのリラックス法
就寝前4時間のカフェインの摂取、就寝前1時間の喫煙は避ける。軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング。

③眠たくなってから床に就く、就寝時刻にこだわりすぎない
眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする。

④同じ時刻に毎日起床
早寝早起きではなく、早起きが早寝に通じる。日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる。

⑤光の利用でよい睡眠
目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン。夜は明るすぎない照明を。

⑥規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く。運動習慣は熟睡を促進。

⑦昼寝をするなら、15時前の20~30分
長い昼寝はかえってぼんやりのもと。夕方以降の昼寝は夜の睡眠に影響。

⑧眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る。

⑨睡眠中の激しいいびき・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
背景に睡眠の病気、専門治療が必要。

⑩十分眠っても昼間の眠気が強いときは専門医に
長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談。車の運転に注意。

⑪睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる。

⑫睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全である
一定時刻に服用し就床。アルコールとの併用をしない。

刺激制御法とは

眠れないことが続くと寝室の寝床に入って眠ることを苦痛に感じられることがあります。「また今日も眠れないのだろうか」と悪いイメージを抱いてしまうことから、寝床が「心地良いところ」や「リラックスできるところ」といった本来のイメージが湧かなくなっている状態です。

楽園1

本来であれば、寝室や寝床に入ると心地よくて、知らず知らずのうちに眠くなって、眠ってしまっている、という条件反射とは逆の悪い条件反射が付いている状態です。

刺激制御法では、このような考え方を取り除くために、

① 眠くなるまで寝床に入らない、
② 寝床は性交渉を除き、睡眠のみに使用する(寝床で本やテレビ、携帯を見ない)、
③ 寝床に入って20分程度経っても眠れなければ、一度寝床から出る、
④ 眠気を感じたら、また寝床に戻り、それでも寝付けなければ、寝床から出る(繰り返し)
⑤ たとえ昨夜眠れなくても、起床時刻は変えない、
⑥ 睡眠不足を感じても、日中、仮眠をとらない、

といった制限を睡眠障害の患者に与え、睡眠欲を高め、「寝床=心地良いところ・眠るところ」というイメージを植え付けて行き、入床から入眠までの時間を短くしていき、患者の方が過度に眠れないと感じることを抑えて行きます。

睡眠時間制限療法とは

睡眠時間制限療法とは、睡眠障害の治療として行われる非薬物療法(行動療法)のうちの1つであり、就寝時間を制限することによって睡眠障害を抱えている方の心理的不安を和らげる方法です。

制限

具体的には、睡眠日誌を元に現状で実際に眠れている時間帯を把握し、例えば、0時頃にいつも就寝するが、実際にはいつも3時ぐらいまで眠れない方には、0時に就寝するのではなく、3時に就寝してもらいます。そして、起床時刻は現在の習慣から変えません。

出来るだけ就寝してから入眠するまでの「眠れない」時間帯を少なくすることによって、「眠れない」と感じる不安を取り除きます。

設定した就寝時間を数日間続けて、就寝するとすぐに入眠出来るようになれば、今度は就寝時刻を少しずつ早めていきます(1週間続けて平均睡眠効率が90%以上であれば、床上時間を15分増やし、90%未満85%以上の場合には現状を継続、85%未満の場合には床上時間を15分減らすといった方法をとります)。

そうすることによって、眠れないことに対する過剰な不安や緊張がほぐれ、就寝=入眠が出来るだけ近いものとなり、結果として、睡眠時間の増加が期待出来ます。

弛緩療法(漸進的筋弛緩療法)とは

毎日の生活の中で受ける不安やストレス、緊張、また、不眠症の方は、思うように眠れないことに対するストレスまでもが加わり、就寝時になっても交感神経が優位に立ち、無意識に気持ちが緊張した状態が続いていることが多くあります。

そして、心と同調して身体も緊張した状態にあり、それがさらに眠りを妨げています。

弛緩療法はそのような身体の緊張をほぐす療法です。弛緩療法は単純な筋緊張の解除と段階的にほぐしていく漸進的筋弛緩療法があります。

漸進的筋弛緩療法では、身体の筋肉を段階的に弛緩させていきます。

筋肉

具体的には、身体のある部分に力を入れてわざと筋肉を収縮してもらい、その緊張を保って筋肉が緊張した状態の感覚を覚えてもらいます。次にその力を入れた筋肉を弛緩してもらい、緊張が和らいでいく感覚を認識してもらいます。

この作業を腕、顔、首、肩、上背部、胸部、腹部、下背部、臀部、太腿、下腿、全身の順で1回15~20分かけて、1日2~3回行い、最後は就寝前に行います。

弛緩療法によって、身体が緊張した状態と弛緩した状態を自分で認識することが可能になり、何もしなくても就寝前に自分で身体の緊張を解くことが出来るようになり、入眠しやすくなります。

自律訓練法とは

自律訓練法は自己暗示によって段階的に緊張をほぐしていくもので、心身症や神経症などの治療法として使われていました。疲労回復、ストレス緩和、不安の軽減、睡眠障害などにも効果があると言われています。

静かで快適な場所を確保し、椅子に座るか、床に仰向けになり、身体の力を抜き、まず気持ちをリラックスさせ、気持ちがとても落ち着いているイメージを思い浮かべます。その後に次のイメージを順番に思い浮かべて行きます。

手

① 手足が重い
② 手足が温かい
③ 心臓が静かに規則正しく動いている
④ 呼吸が楽になっている
⑤ お腹が温かい
⑥ 額が涼しい

このように6段階の暗示をかけていき、その途中で「眠くなる」という暗示を加えたりします。

成功すれば、実際にイメージと同様の感覚を覚え、脈拍数の落ち着きや手足の体温の上昇といった効果が表れます。このトレーニングは1回5分程度を1日2~3回行い、最終的には就寝前に行います。

また、就寝前に行う以外は、終了後に脱力感や不快感を覚えないように手足の屈伸を行い、最後に大きく背伸びと深呼吸を行い、暗示を取り消す動作を行います。

この自律訓練法は睡眠障害の中でも眠れないことへの不安が強い精神生理性不眠症睡眠状態誤認などの方に特に効果があります。

なお、実施に際しては出来るだけ専門家の指導の元に行うことが望ましいです。

精神療法(心理療法)とは

精神療法とは、薬物など物理的・化学的な手段に拠らず、専門医(精神科医・臨床心理士など)が患者と対話を行い、よく話を聞いたうえで、原因の特定を行い、専門的な知識を伝え、考え方や行動の改善を行い、それによって対象となる症状の改善を行う治療法です。

医師

睡眠障害の治療においてもこの精神療法がよく行われます。

睡眠障害の方は、睡眠への不安や恐怖が非常に強くなっていることが多く、睡眠に対する固執が強くなると、さらに症状を悪化させていきます。そこでまずは専門医が患者さんの話を良く聞き、何が障害の元になっているかを把握し、そのうえで正確な知識を与えていきます。

例えば、高齢者の方であれば、加齢に伴い睡眠時間が以前と比べ少なくなることは自然なものであり、睡眠時間なども個人によって差があることを理解してもらいます。

また、睡眠ポリグラフ検査を行い、その結果を詳細に説明することによって、患者の方の客観的な睡眠状態を理解してもらうことで、不眠に関する不安が軽減されることもあります。

そして、十分な睡眠が取れなくても、毎日同じ時刻に起床するようにするなど、生活習慣全般から、就寝前の過ごし方など、様々な指導を行っていきます。

このような精神療法は患者さんとの1対1で行われることが多いですが、睡眠障害から日常生活に支障をきたし、社会生活にうまく適応することができなくなってしまった患者の方に対しては、同じ障害の患者さん同士が集まって、互いの悩みを話したり、治療に関する情報を交換するような集団精神療法がとられることもあります。

時間療法とは

時間療法は、睡眠の時間帯(睡眠相)が通常より遅くなる睡眠障害(睡眠相後退症候群)の治療に用いられる治療法です。

時計

睡眠相後退症候群は夜更かしが続き、それが常態化し、睡眠相が通常の時間帯に戻せなくなり、深夜や明け方になるまで眠れない、そして、朝も起きられない状態です。

就寝時刻を早くすることより、遅くすることによって調整する方が人の生体リズム上、楽であることから、時間療法においては、就寝時刻を毎日少しずつ遅らせていきます。

そして、就寝時刻が通常の就寝時間にまで戻ったとき、それを習慣化するようにします。この治療は就寝・起床の後退を厳密に実行するためにも入院して整った環境の中で専門医の指導の元に行われます。

高照度光療法とは

高照度光療法は、睡眠相後退症候群非24時間睡眠覚醒症候群などの概日リズム睡眠障害や季節性うつ病患者の方に対して、1日のうちのある時間帯に2500~10,000ルックス以上の高照度光を数十分から数時間浴びさせ、乱れた生体リズムを正常なリズムに取り戻す治療法です(5,000-10,000ルクス程度の照度を30分-1時間程度照射するケースが多いようです)。

電球

睡眠相後退症候群では、睡眠相(睡眠の時間帯)の前進をさせるため朝に高照度光療法を行い、非24時間睡眠覚醒症候群では、日によって睡眠相が異なりますので、夜間の適切な時間帯に睡眠相がある時期の朝に高照度光療法を行い、睡眠相が遅れるのを防ぎます。

また、高齢者に多い睡眠相前進症候群では、夕方から夜間入眠前に高照度光療法を行うことで睡眠相を後退させます。

照射装置としては、蛍光灯を並べたようなものが用いられ、室内の天井や壁面に埋め込まれたもの、携帯型のものがあります。患者には、高照度光照射装置の前に座り、光源を1分間に数秒以上見つめるように指示します。

人は24時間を1周期とする生体リズムに基づき朝起きて、日中活動し、夜就寝していますが、このリズムは24時間より少し長い周期を持つ体内時計によってコントロールされています。

したがって、この体内時計と実際の時間との間にズレが生じることになりますが、人はその時間のズレを毎朝太陽の光を浴びることによって自然に修正しています。高照度光療法は、人の生体リズムが光によって影響されることを利用した治療法といえます。

なお、高照度光療法の副作用は少ないですが、眼精疲労、頭痛、倦怠感、いらいら感、吐き気などの症状がみられることもあります。ただ、副作用のために高照度光療法の中断が必要になる症例は現実にはほぼ少数です。

薬物療法とは

睡眠障害を抱える患者の方に対し、睡眠衛生指導をはじめとした精神療法を実施し、それでも効果が見られない場合は、睡眠薬をはじめとした薬物療法が行われます。

錠剤

不眠の頻度としては、週3日以上、期間として1カ月以上持続し、以前には存在しなかった日中の機能障害などが存在する場合に行われます。また、薬物療法は、睡眠薬を飲めばそれで障害が解決するというものではなく、多くは、他の治療法と併用し、他の治療を補完するために行われます。

睡眠薬は危険な薬物であるという誤解がありますが、これは従来使用されていたバルビツール酸系の睡眠薬についての認識がほとんどであると言えます。

バルビツール酸系の睡眠薬は、耐性や依存性があり、延髄から脳全体を鎮静化する作用があるため、大量に服用すると呼吸中枢が抑制され、呼吸が停止するなど、死に至るような危険性があったことから、現在、薬物療法において使用されることはほとんどありません。

現在の薬物療法において使用される睡眠薬は、バルビツール酸系の危険性を克服するべく、その後開発されたベンゾジアゼピン系の睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、自然な睡眠を誘発し、従来のような耐性や依存性といった副作用があらわれにくくなっております。ベンゾジアゼピン系の作用は主に抗不安作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用、鎮静作用、催眠作用、健忘作用などがあり、その作用時間によって、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型に分かれます。

例えば、入眠障害には超短時間型や短時間型、中途覚醒には中時間型、熟眠障害や早期覚醒には長時間型といったように睡眠障害のタイプに併せて医師が最適の薬を処方します。

また、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の抗不安作用や筋弛緩作用、反跳性不眠などの副作用を軽減し、より自然に近い睡眠を誘発する非ベンゾジアゼピン系睡眠薬も多く用いられています。最も作用時間が短いタイプの睡眠薬であり、欧米ではベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも多く用いられています。

なお、一般的にこれらの薬物で催眠作用の強いものが睡眠薬として使われ、催眠作用が弱く、抗不安作用が強く、作用の持続時間が長いものが安定剤として使われます。

また、薬物療法では睡眠薬以外にビタミンB12が投与されることもあります。これは、睡眠相後退症候群非24時間睡眠覚醒症候群といった概日リズム睡眠障害の治療に使われることが多いです。ビタミンB12がこれらの障害にもたらす作用については、様々な見解がありますが、ビタミンB12を他の治療と併用して投与することで多くの有効例が見られます。

アテネ不眠尺度(AIS)

世界保健機関(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」作成の世界共通の不眠症判定法です。

あなたがこれまでに経験した「睡眠のトラブル」について自己評価し、それを記録し、原因の特定に役立てるものです。

次の8項目について、A~Dの中から自分に当てはめるものを選びます。過去1か月間に少なくとも週3回以上経験したものが、あなた自身のトラブルの程度です。

① 寝つき(床についてから眠るまでに要する時間)について
 A. いつも寝つきはよい
 B. いつもより少し時間がかかった
 C. いつもよりかなり時間がかかった
 D. いつもより非常に時間がかかった、あるいは、まったく眠れなかった

② 夜間、睡眠途中で目が覚める
 A. 問題になるほどのことはなかった
 B. 少し困ることがある
 C. かなり困っている
 D. 深刻な状態、あるいは、まったく眠れなかった

③ 希望する起床時刻より早く目覚め、それ以上眠れない
 A. そのようなことはなかった
 B. 少し早かった
 C. かなり早かった
 D. 非常に早かった、あるいは、まったく眠れなかった

④ 総睡眠時間について
 A. 十分である
 B. 少し足りない
 C. かなり足りない
 D. まったく足りない、あるいは、まったく眠れなかった

⑤ 全体的な睡眠の質について(睡眠時間の長さとは関係なく)
 A. 満足している
 B. 少し不満である
 C. かなり不満である
 D. 非常に不満である、あるいは、まったく眠れなかった

⑥ 日中の気分について
 A. いつもどおり
 B. 少し滅入った
 C. かなり滅入った
 D. 非常に滅入った

⑦ 日中の活動(身体的及び精神的)について
 A. いつもどおり
 B. 少し低下した
 C. かなり低下した
 D. 非常に低下した

あくび2

⑧ 日中の眠気について
 A. まったくない
 B. 少しある
 C. かなりある
 D. 激しい

【配点】A=0点、B=1点、C=2点、D=3点で合計点を計算します。

【判定】
1~3点=睡眠障害の心配があります
4~5点=不眠症の疑いが少しあります
6点以上=不眠症の疑いがあります。10点以上なら医師に相談したほうがよいでしょう。

*快適な眠りを実現するには、まず自分の睡眠の状態を知ることが重要です。それによって自分の睡眠(不眠)のタイプを知り、原因を明らかにすることが出来れば、その改善方法も見えてきます。

睡眠医療プラットフォーム

睡眠に関して悩みを抱えているが、自分が睡眠障害に該当するかどうかよくわからない。
医療機関を受診するほどなのかわからない、といった方も多いのではないかと思います。

そのような方におすすめできるのが「睡眠医療プラットフォーム」です。

睡眠医療プラットフォーム

国立精神・神経医療研究センターが全国の睡眠医療施設、大学、研究機関の専門家と共同して作り上げた睡眠健康診断サイトであり、簡単な質問にWeb上で回答していくと、睡眠障害の有無について簡易判定してくれます。

また、睡眠障害の疑いがある場合は、ID登録後、さらに詳細な質問に答えることで詳細診断もしてくれます。診断結果は、PDF保存、印刷も可能です。

最終的に医療機関を受診する場合は、この診断結果が活用できます。とりあえず睡眠で悩みを抱えている方は、この「簡易診断」、必要あれば「詳細診断」をやってみるのも一つの方法です。

エプワース眠気尺度(Epworth sleepiness scale)とは

エプワース眠気尺度(Epworth sleepiness scale)とは、1991年にJohn MWによって作成された全8項目からなる眠気の自己評価尺度で、主観的な日中の過度の眠気を自己評価測定することができます。

睡眠時無呼吸症候群の方の日中の眠気評価のために幅広く使用されています。
以下、エプワース眠気尺度表。

あなたの最近の生活の中で、どのような状態になるか、あなたの状態にもっとも近いと思われる点数(0・1・2・3)を○で囲み、合計点数を診断結果に照らし合わせてください。

0 : 眠ってしまうことはない
1 : 時に眠ってしまう
2 : しばしば眠ってしまう
3 : だいたいいつも眠ってしまう

なお、このテストについては、方法が容易であるため、眠気の状態を実際よりも軽く判断してしまい、点数が低くなる傾向があります。客観的に本人の眠気を評価できる家族などに協力してもらい検査する方が正確な診断結果が得られます。

眠気

<状態:どんなときにねむってしまいますか?>
1. 座って読書をしているとき (0・1・2・3)
2. テレビを見ている時 (0・1・2・3)
3. 人の大勢いる場所で座っている時(例えば会議や劇場などで) (0・1・2・3)
4. 他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき(0・1・2・3)
5. 午後に、横になって休憩をとっているとき(0・1・2・3)
6. 座って人と話をしているとき(0・1・2・3)
7. 飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき(0・1・2・3)
8. 自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっているとき(0・1・2・3)

<診断結果>
合計点が11点以上は、昼間でも眠気が強い(過眠)等の病的領域とされ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)にかかっている場合は、治療を要するレベルと評価されます。また、11点未満であっても、慢性的ないびきをかく人、睡眠時に呼吸が止まる人、日中頻繁に眠気を感じる人も、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。

診断結果から、自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないかという疑いをもたれた方は、医療機関を受診してみてください。

睡眠障害と運転免許(道路交通法)

2002(平成14)年6月に道路交通法政令改正が行われ、免許の拒否または保留の事由となる病気として「重度の眠気の病状を呈する睡眠障害(第33条の2の3、法第90条第1項第1号ハ2)」が規定されました。

さらに「一定の病気にかかる免許の可否等の運用基準」において、免許の拒否や保留となる対象者は免許申請時に「十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまうことが週3回以上ある者」と規定されました。

つまり、これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)過眠症などの睡眠障害を患うことによって、運転中に自己の意思に反して、突然眠り込んでしまう症状を想定していると言えます。

車

警察庁において、運転免許保有者の安全対策を推進するために実施した「睡眠障害と安全運転に関する調査研究」の結果では、運転免許保有者の中にSASに罹患している疑いのある方が相当数存在していることが明らかとなっています。

調査結果によれば、これらの方は、SASに罹患している疑いのない人に比べ
•居眠り運転を経験している割合が 2.1倍高い
•居眠り事故等を経験している割合が 2.6倍高い
そうです。

SASは、十分な治療が行われれば、早期に過眠症状は改善し、日常生活に支障はなくなりますので、心あたりの方は、エプワース眠気尺度で自己検査をしてみましょう。

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合の治療法としては、マウスピースを使用した治療法とCPAP(シーパップ)による治療法が一般的です。

マウスピースは下顎を5~6ミリ前方に引き出すことによって気道を広げ、無呼吸を軽減します。また、CPAPは鼻にマスクを装着し、外部から圧力で気道を開き、酸素を送り込むことによって深い睡眠をとれるようにします。

CPAP療法が有効とされるのは無呼吸低呼吸指数(AHI:睡眠中1時間当たりの無呼吸と低呼吸の平均回数)が20以上の場合ですが、AHIが20未満でも居眠りなどの自覚症状がある、すでに高血圧、脳血管障害、虚血性心疾患などの症状がみられる場合には治療の対象となります。

1998年からは、無呼吸・低呼吸指数(AHI)が30以上の重症と診断された患者には、CPAP装置の貸し出しに健康保険が適用されるようになり、全国で15万人以上の患者の方が、月々5千円程度の負担で自宅での治療を行っております。また、マウスピース(口腔内装置)についても2004年4月から健康保険による適用が認められるようになりました。

*無呼吸:睡眠中に10秒以上呼吸が停止すること
 低呼吸:換気が50%以下に低下すること

その他、肥満による閉塞型については減量、その他、禁煙、禁酒といった生活習慣の改善指導も行われます。

なお、CPAPはあくまで対処療法であり、根本的にSASを治すものではないので、正しい使用方法による治療の継続が必要になってきます。病状の経過観察のために月に一度は外来を受診しければなりません。その間にCPAPの設定圧を再度調節する必要があるとの診断がくだされた場合には、一泊程度の入院を勧められる可能性もあります。

なお、月1回の通院治療の費用は、CPAPレンタル料を含めた場合、1万5千円程度であり、患者さんの自己負担は3割負担なら約5,000円となります。

CPAP.jpg

また、個人でCPAPを購入することもできますが、一般販売はされておらず、あくまで医療器具なので必ず事前に医師の診断が必要となります。購入の場合はおよそ15万円から35万円ほどの負担となります。

マウスピース治療は睡眠の検査が済み、マウスピース治療を選択した後に歯科を受診しますが、できれば睡眠障害の専門医と連携のある歯科医師に作ってもらうほうがいいでしょう。歯科医はまず歯の状態をチェックし、歯石がついている場合など、正確な型取りの障害となるので歯の治療を優先させます。その後に歯形を取り、治療に最適なあごの位置を設定します。これを「下顎のタイトレーション」といいます。

マウスピースの完成後は使い方の指導があり、実際に使用後2~3週間経ったら、朝まで装着できているか、また、いびきや無呼吸の改善がみられたか、家族の感想などをもとに確認を行います。使用状況が確認できたあとは、マウスピースを装着した状態で再び睡眠ポリグラフ検査を行い、治療効果をチェック、そして、必要に応じて修正を行うことがあります。マウスピース治療は2004年の4月より保険適用となり、標準タイプのものであれば、1万円から2万円の自己負担ですむようになっています。
検索フォーム
カテゴリ
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。