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冬に快適に眠るための工夫

冬場の睡眠で陥りやすい失敗は、寒いからといって、厚着し過ぎたり、お布団や毛布をいっぱい重ねて眠ることです。

厚着

人は一晩の間に20回ぐらい寝返りを打つと言われています。この寝返りによって、身体の歪みを調整したり、布団の中の温湿度を調整したり、血液の循環を良くしたり、睡眠のリズムを整えたりしています。

厚着は寝返りの際の抵抗を大きくし、スムーズな寝返りを阻害しますし、重ねた重い布団も同じように寝返りを打ちにくくなります。

就寝前に暖房と加湿器をつけて寝室をあらかじめ温めておいたり、湯たんぽや布団乾燥機で寝床内をあたためておくといった準備が質の高い睡眠に結び付きます。大事なことは、寝室や寝床に入った瞬間に「気持ちいい」と感じることであり、逆に冷たい寝室や寝床に入ると、寒さから血管が収縮し、交感神経が優位になり、スムーズな眠りに就くことが難しくなります。

寝具については、おすすめは羽毛布団。軽くて、吸湿性、放湿性、保温性に優れているので、冬の睡眠にはピッタリです。また、睡眠時は掛けよりも敷寝具から身体の熱が奪われやすいため、毛布を何枚も重ねて、寝返りを妨げるのではなく、敷寝具を、羽毛素材やウール素材など、保温効果の高い素材のものに変えるといいでしょう。

また、普通の綿布団を使っている方でもお布団を干してあげるだけで、快眠度はグッとアップします。綿素材は、吸湿性は高いのですが、放湿性が羽毛やウール素材に比べて低いため、いっぱい汗を吸うとお布団が段々重くなっていきます。天日干しをすることで、お布団が軽くなり、また、温かい空気の層を布団の中に出来て、軽いのに温かくなります。週に1~2回は干すようにしましょう。

また、床に近いほど温度が低くなりますので、寒さが寝具に伝わりにくくするように、フローリングから絨毯に変えたり、布団からベットに変えて、少し高さを持たせるといった方法も有効です。

<電気毛布、化繊の靴下、締め付けのきつい靴下など:入眠時の体温低下を妨げる>
人は、入眠時、体内の熱を手足から放出して、スムーズに体温低下が行われることで深い眠りが得られます。冬に陥りがちなNGとして挙げられるのが、一晩中、電気毛布をつけたまま眠ったり、吸湿性の悪いナイロン、アクリル、ポリエステルといった化繊で出来た靴下や、締め付けのきついものを履いて眠ることです。

身体の熱が手足から放出される際には汗をかきますが、吸湿性・放湿性の悪い素材だと、熱が内にこもってスムーズに身体の中の熱が体外に放出されません。また、締め付けがきついと血流も悪くなります。

電気毛布は就寝前に寝床を温めておくのに使用する分には問題ありませんが、睡眠中つけっぱなしにしていると、一晩中、手足が温かいままで、これも体温の低下を妨げます。

足元が寒くて眠れない場合は、湯たんぽを使用したり、靴下を履く場合は、締め付けがきつくなく、自然素材のものを使用してください。羽毛、ウール、絹素材の靴下などは、吸湿性、放湿性、保温性も良いのでおすすめです。
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睡眠酩酊とは

睡眠酩酊とは、起床後、頭がハッキリせず、お酒に酔ったかのようなボーっとした状態、意識が少し朦朧とした状態にあることを言います。睡眠慣性と言われることもあります。

朦朧

睡眠中、人は眠りの深い「ノンレム睡眠」と眠りの浅い「レム睡眠」を繰り返し、自然に起床する場合は、レム睡眠を経て起床しますが、ノンレム睡眠の中でも特に眠りの深い「深睡眠(睡眠段階3~4)」のときに急に起こされると特に生じやすくなります。

これは、目覚まし時計などで急に起こされても、脳の方にはまだ起きる準備が出来ていないということです。いわば、身体は起きても、脳はまだ少し眠っている状態です。また、30分を超える昼寝や、通常の起床時間を大幅に超えて、長時間の睡眠を摂るような「週末寝だめ」の際に生じることもあります。

専門誌『Neurology』に掲載された研究によると、7人に1人がこのような症状を体験しており、米国の約2万人を対象とした調査では、15%の人が前の年に少なくとも1回は睡眠酩酊を体験しています。また、そのうちの半数は、週に一度は睡眠酩酊になるそうです。

このような睡眠酩酊を体験した人の37%が、うつ病やパニック発作、不安神経症などの精神疾病に苦しんでおり、31%が抗うつ薬のような向精神剤を服用しているという調査結果もあり、睡眠酩酊と薬剤の間に関係がある可能性もあります。

参照記事:「lifehacker


便秘と眠り

私たちの身体をコントロールしている自律神経は、交感神経と副交感神経から構成されており、起きている(緊張している)時は自律神経、眠っている(リラックスしている)時は副交感神経が優位になっています。

そして、自律神経のバランスが崩れると、不眠をはじめ、身体に様々な不具合が生じてきますが、自律神経と便秘には相関関係があると言われています。

お腹

それは、消化器官(胃腸)が副交感神経の支配下にあることが関係しています。通常、他の内臓器官は交感神経の支配下にあり、日中活発に動けるように、交感神経が働くと内臓も活発に働きます。しかし、胃腸だけは逆に副交感神経が一番働いている就寝時に最も活発になります。

朝起きるとお腹が空いたり、トイレに行きたくなるのは、腸が活発に働き、就寝前に食べたものが消化され、便(老廃物)が作られるからです。

例えば、睡眠時間が十分に摂れないと、副交感神経があまり働かず、消化も十分に行われず、便秘になりやすくなります。また、逆に便秘(腸内環境が悪化する)になることで、自律神経のバランスを崩しやすくなります。それは、腸内環境が悪化することで、血液が汚れ、それが自律神経を含めた身体全体に不調をきたすのです。

胃腸の血流が悪化→消化不良→必要な養分が吸収できない→食べかすが残り、腐敗し、腸内環境悪化→悪玉菌の増加→消化吸収のさらなる悪化。

夜更かし→朝起きられない→朝食を抜く→腸内環境悪化→自律神経のバランスを崩す→不眠

などなど、負のスパイラルがいっぱいです。

規則正しい時間に1日三度食事を摂ること(量は少なくていい)は腸に適度な刺激を与え、腸内環境を整えます。また、定期的に運動をしたり、乳酸菌を意識的に多く摂取して、善玉菌を増やしてあげることで血液がきれいになり、自然と胃腸も自律神経のバランスも整ってきます。

よく眠れない方で便秘しがちなかたは、腸内環境を整えることも重要だということを理解しておきましょう。

関連記事 : 「自律神経」が眠りの良し悪しを決める

香辛料の睡眠への影響

唐辛子などの香辛料は、「刺激物」なので体に悪そうな感じもしますが、実はそうでもありません。

その辛さの刺激が全身の血の巡りを良くし、体内の毒素を殺傷し、排出しようとする生理作用が働くことから、がん、心筋梗塞、虚血性心疾患、呼吸器疾患などの生活習慣病の罹患リスクが減少すると言われています。

では、睡眠にとってはどうでしょうか?

香辛料

健康にいいのであれば、睡眠にとってもいいはずなのですが、辛い食べ物を摂取するタイミングには注意をする必要があります。例えば、就寝前に辛いものを食べると、その刺激から交感神経が活発になり、なかなかリラックスできず、寝付きが悪くなったり、眠っても深い眠りが得られにくくなります。一般的に就寝前は「アルコール」「カフェイン」「消化の悪いもの」「香辛料(刺激物)」は出来るだけ控えましょう。

ただ、就寝4時間前ぐらいまでに夕食を済ませられるのなら(消化時間を考えてもこれぐらい前に済ませておきたいものです)、あまり香辛料を気にし過ぎる必要もありません。また、香辛料は血行を良くし、一時的に体温を上げてくれるので、就寝前にうまく体温が下がり、寝付きを良くしてくれることもあります。冷え性の方には香辛料はおすすめです。

なお、残業などで就寝間際にどうしても食事を摂らざる得ない場合などは、香辛料が多く含まれた食事を避けるなど、食事の内容に気を使ってみましょう。

就寝前に「不安」になってしまうときは

就寝前にあれこれと過去のことや将来のことを考え、不安になってしまい、なかなか眠れなくなってしまうことがあります。

15Sep29-1.jpg

そんなときにできるブッダが教える「不安」の取り除き方をご紹介します。

ブッダは人の精神状態(頭の中)を3つに分類しました。
 ① 貪欲(過剰な欲求。現状以上に求めてしまう心)
 ② 怒り(不快感・不満)
 ③ 妄想(頭の中で考えること。過去を思い出す。将来を想像することなど)

「不安」とは、頭の中でマイナスの状態を想像している状態なので「妄想」です。ですから、就寝前にあれこれ考えてしまい、「不安」を感じたら、「これは妄想である」と客観的に判断してみましょう。

不安に打ち勝とうとか、やる気や自信を絞り出したりする必要はありません。頭の中の状態を冷静に理解し、「妄想は妄想に過ぎない」と客観的に判断して、それ以上に反応しないことです。

目を閉じて見えるものが「妄想」。目を開いて見えるものが「現実」です。就寝前は目を閉じているので、日中よりも、より「妄想」が働きやすいのです。このように「不安」とは何かを理解し、無駄な妄想を広げないことが眠りにも大切と言えるでしょう。

参照記事:心が強い人は「不安は妄想」だと知っている

落ち込んだ時は空を見上げよう

不眠とうつには相関関係があり、うつ病になると不眠はその初期症状として現れます。睡眠時間が短くなり、眠りも浅く、寝入ってもすぐに起きてしまう(早期覚醒)ようになります。また逆に、不眠症の人はそうでない人の2~3倍もうつ病になる可能性が高いと言われています。

いずれも早いうちに医療機関を受診し、専門的な治療を受けることが望ましいですが、心が落ち込んだときや自分で「もしかしたら鬱かも」、と思ったときに簡単に、そして、すぐに出来る対処法があります。

それは、「上を向く」ことです。

空と雲

アメリカのクリニックには、うつ状態の患者に首のコルセットを与えるところがあり、首のコルセットを装着すると患者は頭を上に向けさせられ、下を見ることが出来なくなります。そうすると、数日後には多くの患者の気分が格段に良くなって、治療が終了するそうです。

姿勢を正していると、気分も前向きになるということです。

上を見上げるという方法は、アメリカの電話悩み相談員も応急処置として使っており、自殺の恐れのある人が電話をかけてきたら、まず返す言葉は「天井を見てください」だそうです。目線を上げるだけでも気分が良くなるということです。(参照:「青い象のことだけは考えないで!」トルステン・ハーフェナー&ミヒャエル・シュピッツバート)

また、自律神経のバランスが崩れることによって、夜、副交感神経が働いてリラックスすべきときに、逆に交感神経が働いてしまい、不眠になることも多くあります。

自律神経研究の第一人者、順天堂大学医学部・小林弘幸教授もその著書「ゆっくり生きれば、遠くまでいける」のなかで「空を見上げるだけで体の状態は瞬時に変わる」とおっしゃっています。 家を出た瞬間に、空を見上げて、「あぁ、今日もいい天気~」みたいに、今日の天気や自然を感じるだけで、その瞬間に副交感神経がグッと上がり、自律神経が整うそうです。

それだけで、血流が良くなり、良いコンディションで一日を始められ、そして、夜にも良い効果が出てきます。

自分でストレス過多な状態だと思ったら、意識的に「下を向いていないか」と気にしたり、上を向くことを習慣づけてみてはいかがでしょうか。

メラトニン受容体作動薬とは?

人の体内には体内時計(時計遺伝子)というものが備わっていて、この体内時計の働きによって、1日の生活リズムが作られています。夜になると体温が下がり、眠くなるのもこの体内時計の働きによります。

しかし、不規則な生活や環境の変化などにより、この体内時計に狂いが生じ、その結果、夜なかなか眠れず、朝はなかなか起きられないといった睡眠障害(概日リズム障害)が生じる場合があります。

このように体内時計の狂いによって睡眠・覚醒のリズムに問題が生じている場合、これを正常化する薬が用いられます。最近作られたラメルテオン(商品名:ロゼレム)という睡眠導入剤は、脳の視床下部の視交叉上核と呼ばれる部分にあるメラトニン受容体に働いて、脳内でメラトニンと同様に作用します。

ロゼレム

メラトニンとは、脳の松果体から分泌される脳内物質であり、体内時計と深く関わり、夜間に多く分泌され、体温を下げることで、睡眠を促してくれます。このラメルテオンは、体内時計だけに作用するため、有害な副作用が少なく、入眠までの時間を短縮するとともに総睡眠時間を増やす作用があります。

メラトニン受容体作用型の睡眠薬は、概日リズム調整作用が特徴的ですが、他の睡眠薬のような催眠作用も持ちます。ただし、催眠効果はそれほど強くないため、軽度の不眠症や、短期的な不眠症の方に用いられることがあります。また、半減期が1~2時間と短いので、中途覚醒などの悩みにはあまり効果が期待出来ません。

ラメルテオンは服用後すぐに効果を発揮するというよりは、2~3週間程度服用することによって効果が現れる薬ですので、飲み始めてすぐに「効かない」と判断してやめてしまうと、せっかくの効果が発揮できません。

カフェインと睡眠

何かと悪いイメージのあるコーヒーですが、最近では、その効能が見直され、「実は健康に良い」飲み物というイメージも出てきています。

カフェイン

その効能は多岐にわたり、

・精神・知覚機能を刺激(眠気冷まし、思考力・集中力UP)
・強心効果(心臓の働きを助ける)
・利尿効果(毒素排出)
・消化促進
・鎮痛効果(特に頭痛)
・ボケ予防
・活性酸素除去(若返り、がん予防)
・コレステロール低下、動脈硬化の予防
・ダイエット効果

などがあると言われています。

ただ、睡眠との関係で言うと、コーヒーはカフェインを含んでいるため、身体を覚醒させる作用を持ちますので、就寝前は出来るだけ控えるべきです。

カフェインは飲んだ後30分ぐらいで効き始め、4~5時間ぐらいは覚醒効果が持続します。また、利尿作用もありますので、夜中にトイレに起きやすくなりますので、夕方ぐらいからは控えておいた方が望ましいです。

特に子供は成人に比べてカフェインを分解する機能が低く、覚醒効果が長いことから、午後3時頃を目安に夕方以降は摂取を控えることが望ましいです。カフェインはコーヒーや紅茶だけでなく、緑茶やコーラなどにも含まれますので、カフェインの含まれる飲み物には注意が必要です。

以下は良く目にする市販の飲料のカフェイン含有量(例)です。意外な飲料にもカフェインが含まれていることがありますので、カフェインに敏感な方は注意が必要です。

*<>は100g当たりのカフェイン量
眠眠打破<240>
強強打破<300>
メガシャキ<100>
チオビタ<50>
リポビタンD<50>
モンスターエナジー(Monster Energy)<40>
レッドブル(Red Bull)<32>
ペプシコーラ<10>
マウンテンデュー<20>
爽快ビタミン<20>
午後の紅茶 ストレート<12>
午後の紅茶 エスプレッソティー<65>
ボス レインボーマウンテンブレンド<70>
ダイドーブレンド<86>
玉露<160>
生茶<11>
烏龍茶<20>
バンホーテン アイスココア<10未満>
伊右衛門 濃いめ<13>

食事を規則正しく、かつ、楽しんで摂ることで睡眠レベルが上がる

われわれの脳にはオレキシンという神経ペプチドが存在し、私たちの摂食活動や睡眠と覚醒に大きな役割を果たしています。

このオレキシンは1998年に筑波大学・桜井武氏の研究グループが発見したものであり、このオレキシンが欠如すると、正常な睡眠・覚醒のパターンを維持出来ず、ひどくなると、突然本人の意思に反し、眠り込んでしまうナルコレプシーという睡眠障害にかかります(ナルコレプシー患者の約90%に髄液中のオレキシン濃度の著しい低下がみられます)。

オレキシンに係る研究結果の中で非常に興味深い点は、食べることと寝ることは非常に密接に関わっているということです。

例えば、野生動物が生き延びていくためには「摂食行動」は非常に大切な行動であり、空腹時には、覚醒レベルを上げて餌を探し求めます。お腹が空いては眠っている場合ではない、ということです。絶食させられた動物は、オレキシン神経が活性化され、覚醒レベルが上がるそうです。

野生動物

また、マウスに好物の甘い味のついた水を毎日決まった時刻に与えると、脳のなかのオレキシンを作り出す神経の活動が盛んになるそうです。これは、何か欲望があり、それが報酬で満たされるとオレキシンが活性化されるということです。

毎日決まった時間に食事を摂る人はその時間が近づくと空腹感を感じるようになる、そんな1日の食事のリズム構築にもオレキシンは関わっています。

つまり、これらすべてを総合すれば、毎日規則正しく同じ時間に食事を摂り、間食は出来るだけ控え、お腹を空かせてから食べる。食欲を高め、そして食べる際に「おいしい~」とおいしさを噛みしめながら食べることでオレキシンを活性化させ、結果的に睡眠と覚醒を正常に機能させられるのです。

よく噛んで食べるとセロトニンというストレス耐性ホルモン(夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に代わる)が活性化されるとも言われています。また、毎日、食事を摂ることで体内時計のズレも自然と調整されています。

毎日の食事、その摂り方で睡眠だけも随分と変わってくるのです。

関連:オレキシンの生理機能の解明 - 筑波大学医学医療系

リタリン(メチルフェニデート)とは

リタリンは、ナルコレプシーの患者に対して使われる中枢神経刺激薬です。以前はうつ病患者に対して処方されることもありましたが、2007年10月より、その適応症から「うつ」が削除され、ナルコレプシーに対してのみ処方されるようになりました。

ナルコレプシーの睡眠発作に効果があり、日中の異常な眠気を抑え正常な日常生活が送れるようにします。

なお、リタリンは脳の中枢神経を興奮させ、精神活動を高めるという働きがあり、服用後の気分の高揚感から、遊びや個人売買に使われることがあります。依存性の高い薬物であり、大量長期間摂取し続けると、統合失調症に酷似した精神病状態を呈することがあります。

リタリン

ナルコレプシーの症状を偽ってリタリンを入手しようとする人が出てきたことから、現在ではその処方について厳しく定められています。

具体的には、リタリンの処方を行う医師はあらかじめ登録を行う必要があり、日本精神神経学会や日本睡眠学会などの認定専門医であり、かつ、ナルコレプシーの診断・治療に精通し、リタリンに関する研修プログラムの履修を終了したものなど、厳格な基準が定められています。

関連 :
「リタリン問題」対応について
リタリン流通管理基準(リタリン流通管理委員会 事務局)

睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合の治療法としては、マウスピースを使用した治療法とCPAP(シーパップ)による治療法が一般的です。

マウスピースは下顎を5~6ミリ前方に引き出すことによって気道を広げ、無呼吸を軽減します。また、CPAPは鼻にマスクを装着し、外部から圧力で気道を開き、酸素を送り込むことによって深い睡眠をとれるようにします。

CPAP療法が有効とされるのは無呼吸低呼吸指数(AHI:睡眠中1時間当たりの無呼吸と低呼吸の平均回数)が20以上の場合ですが、AHIが20未満でも居眠りなどの自覚症状がある、すでに高血圧、脳血管障害、虚血性心疾患などの症状がみられる場合には治療の対象となります。

1998年からは、無呼吸・低呼吸指数(AHI)が30以上の重症と診断された患者には、CPAP装置の貸し出しに健康保険が適用されるようになり、全国で15万人以上の患者の方が、月々5千円程度の負担で自宅での治療を行っております。また、マウスピース(口腔内装置)についても2004年4月から健康保険による適用が認められるようになりました。

*無呼吸:睡眠中に10秒以上呼吸が停止すること
 低呼吸:換気が50%以下に低下すること

その他、肥満による閉塞型については減量、その他、禁煙、禁酒といった生活習慣の改善指導も行われます。

なお、CPAPはあくまで対処療法であり、根本的にSASを治すものではないので、正しい使用方法による治療の継続が必要になってきます。病状の経過観察のために月に一度は外来を受診しければなりません。その間にCPAPの設定圧を再度調節する必要があるとの診断がくだされた場合には、一泊程度の入院を勧められる可能性もあります。

なお、月1回の通院治療の費用は、CPAPレンタル料を含めた場合、1万5千円程度であり、患者さんの自己負担は3割負担なら約5,000円となります。

CPAP.jpg

また、個人でCPAPを購入することもできますが、一般販売はされておらず、あくまで医療器具なので必ず事前に医師の診断が必要となります。購入の場合はおよそ15万円から35万円ほどの負担となります。

マウスピース治療は睡眠の検査が済み、マウスピース治療を選択した後に歯科を受診しますが、できれば睡眠障害の専門医と連携のある歯科医師に作ってもらうほうがいいでしょう。歯科医はまず歯の状態をチェックし、歯石がついている場合など、正確な型取りの障害となるので歯の治療を優先させます。その後に歯形を取り、治療に最適なあごの位置を設定します。これを「下顎のタイトレーション」といいます。

マウスピースの完成後は使い方の指導があり、実際に使用後2~3週間経ったら、朝まで装着できているか、また、いびきや無呼吸の改善がみられたか、家族の感想などをもとに確認を行います。使用状況が確認できたあとは、マウスピースを装着した状態で再び睡眠ポリグラフ検査を行い、治療効果をチェック、そして、必要に応じて修正を行うことがあります。マウスピース治療は2004年の4月より保険適用となり、標準タイプのものであれば、1万円から2万円の自己負担ですむようになっています。

睡眠障害と運転免許(道路交通法)

2002(平成14)年6月に道路交通法政令改正が行われ、免許の拒否または保留の事由となる病気として「重度の眠気の病状を呈する睡眠障害(第33条の2の3、法第90条第1項第1号ハ2)」が規定されました。

さらに「一定の病気にかかる免許の可否等の運用基準」において、免許の拒否や保留となる対象者は免許申請時に「十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日中、活動している最中に眠り込んでしまうことが週3回以上ある者」と規定されました。

つまり、これらは睡眠時無呼吸症候群(SAS)過眠症などの睡眠障害を患うことによって、運転中に自己の意思に反して、突然眠り込んでしまう症状を想定していると言えます。

車

警察庁において、運転免許保有者の安全対策を推進するために実施した「睡眠障害と安全運転に関する調査研究」の結果では、運転免許保有者の中にSASに罹患している疑いのある方が相当数存在していることが明らかとなっています。

調査結果によれば、これらの方は、SASに罹患している疑いのない人に比べ
•居眠り運転を経験している割合が 2.1倍高い
•居眠り事故等を経験している割合が 2.6倍高い
そうです。

SASは、十分な治療が行われれば、早期に過眠症状は改善し、日常生活に支障はなくなりますので、心あたりの方は、エプワース眠気尺度で自己検査をしてみましょう。

エプワース眠気尺度(Epworth sleepiness scale)とは

エプワース眠気尺度(Epworth sleepiness scale)とは、1991年にJohn MWによって作成された全8項目からなる眠気の自己評価尺度で、主観的な日中の過度の眠気を自己評価測定することができます。

睡眠時無呼吸症候群の方の日中の眠気評価のために幅広く使用されています。
以下、エプワース眠気尺度表。

あなたの最近の生活の中で、どのような状態になるか、あなたの状態にもっとも近いと思われる点数(0・1・2・3)を○で囲み、合計点数を診断結果に照らし合わせてください。

0 : 眠ってしまうことはない
1 : 時に眠ってしまう
2 : しばしば眠ってしまう
3 : だいたいいつも眠ってしまう

なお、このテストについては、方法が容易であるため、眠気の状態を実際よりも軽く判断してしまい、点数が低くなる傾向があります。客観的に本人の眠気を評価できる家族などに協力してもらい検査する方が正確な診断結果が得られます。

眠気

<状態:どんなときにねむってしまいますか?>
1. 座って読書をしているとき (0・1・2・3)
2. テレビを見ている時 (0・1・2・3)
3. 人の大勢いる場所で座っている時(例えば会議や劇場などで) (0・1・2・3)
4. 他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき(0・1・2・3)
5. 午後に、横になって休憩をとっているとき(0・1・2・3)
6. 座って人と話をしているとき(0・1・2・3)
7. 飲酒をせずに昼食後、静かに座っているとき(0・1・2・3)
8. 自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっているとき(0・1・2・3)

<診断結果>
合計点が11点以上は、昼間でも眠気が強い(過眠)等の病的領域とされ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)にかかっている場合は、治療を要するレベルと評価されます。また、11点未満であっても、慢性的ないびきをかく人、睡眠時に呼吸が止まる人、日中頻繁に眠気を感じる人も、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。

診断結果から、自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではないかという疑いをもたれた方は、医療機関を受診してみてください。

寝返りの重要性

眠っている間に無意識的に行っている「寝返り」。この動作は睡眠と密接に関係しており、睡眠中の寝返りが、

・布団の中の温湿度調整
・血液の循環を良くする
・身体の歪みを調整
・睡眠リズムを整える

などなど、快適な眠りをサポートしてくれています。

寝返り

ノンレム睡眠(深い眠り)時は脳も身体も休息中。身体が静止した状況がずっと続くと、寝床に接している面が蒸れたり、血行が悪くなり、快適に眠り続けることが出来なくなるのです。

そこで、レム睡眠(浅い眠り)時に「寝返り」によって、睡眠姿勢(環境)整備が行われ、その後、また心地よいノンレム睡眠に入っていくのです。

「私は寝返りしない」、という人でも、健康的な人であれば、一晩に20回ぐらいは寝返りをしています。

身体が落ち込んでしまうほど柔らかすぎる敷寝具を使用していると寝返りが打ちにくくなることもありますので、そのような方は寝具を見直してみるのも一つの方法です。

睡眠医療プラットフォーム

睡眠に関して悩みを抱えているが、自分が睡眠障害に該当するかどうかよくわからない。
医療機関を受診するほどなのかわからない、といった方も多いのではないかと思います。

そのような方におすすめできるのが「睡眠医療プラットフォーム」です。

睡眠医療プラットフォーム

国立精神・神経医療研究センターが全国の睡眠医療施設、大学、研究機関の専門家と共同して作り上げた睡眠健康診断サイトであり、簡単な質問にWeb上で回答していくと、睡眠障害の有無について簡易判定してくれます。

また、睡眠障害の疑いがある場合は、ID登録後、さらに詳細な質問に答えることで詳細診断もしてくれます。診断結果は、PDF保存、印刷も可能です。

最終的に医療機関を受診する場合は、この診断結果が活用できます。とりあえず睡眠で悩みを抱えている方は、この「簡易診断」、必要あれば「詳細診断」をやってみるのも一つの方法です。

快適な睡眠のための就寝着の選び方

快適な睡眠を得るための就寝着を選ぶ際には、

① 吸湿性・放湿性(蒸れないこと)
② 抵抗が少ない素材(寝返りが打ちやすい)
③ 自分が心地よいと感じるもの(リラックス)

の3点から選ぶのがおすすめです。

人は眠っている間にコップ1杯分、約200mlの汗をかきます。特に眠り始めは深部体温を下げるために発汗量も多くなりますので、吸湿性と放湿性の悪い就寝着を着用していると、その不快感から、眠りが浅くなったり、途中で目覚めてしまう可能性があります。

また、裸で寝るなど、肌の露出が大きいと手足の肌の表面に汗が残り、その不快感から眠りが浅くなることがあります。肌の余分な水分を蒸発させるために、体から気化熱が奪われ、発汗後、冷えすぎて目を覚ましたり、風邪をひいたりする可能性も出てきます。

生地

なお、パジャマを着て寝るものの、パジャマの下に締め付けのきついパンツを履かず、ノーパンで眠る人も多くいます。これは身体の締め付けがなくなることで副交感神経の働きが高まり、よりリラックスできて深い睡眠が得られるとも言われています。

冬は寒いからと言って、厚手のスエットやパーカーなどを着用して眠ると、放湿性に優れないばかりではなく、抵抗が大きいために寝返りを妨げてしまいます。

最後の心地よさも重要なポイントです。自分のお気に入りの心地よいと思える就寝着に着替えることで、心地よさを肌で感じ、心も自然とリラックスし、スムーズに気持ちがONからOFFに切り替わります。

ショートスリーパーとロングスリーパー

世間にはショートスリーパーと呼ばれる短時間睡眠者とロングスリーパーと呼ばれる長時間睡眠者がいます。

具体的には、平均睡眠時間が6時間未満の人を「ショートスリーパー」、9時間以上の人を「ロングスリーパー」といいます。その間の平均睡眠時間6時間以上、9時間未満の人を「バリアブル(可変)スリーパー」といいます。ほとんどの人はここに入りますが、人口の5%ほどの人はショートスリーパー、10%ほどの人はロングスリーパーに入るといわれています。

ナポレオンは1日に3時間しか睡眠時間をとっていなかったと言われ、発明王エジソンやレオナルド・ダ・ヴィンチも「ショートスリーパー」であったと言われます。しかし、ナポレオンやエジソンは昼寝の習慣があったことも記録されており、正しいところはわかりません。

エジソン

逆に「ロングスリーパー」としては、物理学者のアインシュタインが有名であり、一日10時間は眠っていたそうです。

ショートスリーパーとロングスリーパーの違いはレム睡眠にあるといわれており、ショートスリーパーはレム睡眠が短く、ノンレム睡眠の時間はロングスリーパーの人とほとんど変わらなく、しかも深い睡眠深度を得ているといわれています。つまり、夢をほとんどみることなく、短時間で疲労回復ができるということでしょう。

それは性格の差にも表れ、ショートスリーパーは人付き合いが得意で、周囲の状況に柔軟に対応するのに優れており、外交的な性格が活かせる政治家や実業家に向いているといわれています。失敗してもくよくよせず、悩みを軽く受け流すことができる傾向があるため、脳の疲労が少なく、短い睡眠時間で足りるのではないかと考えられています。

逆にロングスリーパーは、失敗や悩みを正面から受け止める人が多く、そのため脳が酷使され、疲労回復に時間がかかる分、睡眠時間が長くなると考えられています。また、そうではなく、中途覚醒の頻度が高く、眠りのレベルが浅いからだという意見もあります。

ロングスリーパーは周囲の環境に適応するのは苦手ですが、独自の内的世界に対応するのに優れているといわれています。したがって、研究者や芸術家に向いているとされます。

なお、以上はあくまで統計的なものであって、生物学的な根拠はありません。また、寝ても寝ても寝たりないという過眠症の人と、ロングスリーパーの人は異なります。

また、睡眠時間は遺伝子的体質も関係しており、ショートスリーパーがロングスリーパーに簡単に変われるものではありません。

(D・D・ルーンズ編「トーマス・アルヴァ・エジソンの日記と考察」より)
たいていの人間が必要量の倍は食べすぎであり、眠りすぎである。それも好きこのんで。この過多のおかげで、人々は健康を害し、無能になる。1日8時間から10時間も眠る人間は、熟眠もしなければ完全に覚めた状態になることもない。彼らはひたすら24時間じゅう、ぼんやりと夢うつつのままにすごすのだ。

アテネ不眠尺度(AIS)

世界保健機関(WHO)が中心になって設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」作成の世界共通の不眠症判定法です。

あなたがこれまでに経験した「睡眠のトラブル」について自己評価し、それを記録し、原因の特定に役立てるものです。

次の8項目について、A~Dの中から自分に当てはめるものを選びます。過去1か月間に少なくとも週3回以上経験したものが、あなた自身のトラブルの程度です。

① 寝つき(床についてから眠るまでに要する時間)について
 A. いつも寝つきはよい
 B. いつもより少し時間がかかった
 C. いつもよりかなり時間がかかった
 D. いつもより非常に時間がかかった、あるいは、まったく眠れなかった

② 夜間、睡眠途中で目が覚める
 A. 問題になるほどのことはなかった
 B. 少し困ることがある
 C. かなり困っている
 D. 深刻な状態、あるいは、まったく眠れなかった

③ 希望する起床時刻より早く目覚め、それ以上眠れない
 A. そのようなことはなかった
 B. 少し早かった
 C. かなり早かった
 D. 非常に早かった、あるいは、まったく眠れなかった

④ 総睡眠時間について
 A. 十分である
 B. 少し足りない
 C. かなり足りない
 D. まったく足りない、あるいは、まったく眠れなかった

⑤ 全体的な睡眠の質について(睡眠時間の長さとは関係なく)
 A. 満足している
 B. 少し不満である
 C. かなり不満である
 D. 非常に不満である、あるいは、まったく眠れなかった

⑥ 日中の気分について
 A. いつもどおり
 B. 少し滅入った
 C. かなり滅入った
 D. 非常に滅入った

⑦ 日中の活動(身体的及び精神的)について
 A. いつもどおり
 B. 少し低下した
 C. かなり低下した
 D. 非常に低下した

あくび2

⑧ 日中の眠気について
 A. まったくない
 B. 少しある
 C. かなりある
 D. 激しい

【配点】A=0点、B=1点、C=2点、D=3点で合計点を計算します。

【判定】
1~3点=睡眠障害の心配があります
4~5点=不眠症の疑いが少しあります
6点以上=不眠症の疑いがあります。10点以上なら医師に相談したほうがよいでしょう。

*快適な眠りを実現するには、まず自分の睡眠の状態を知ることが重要です。それによって自分の睡眠(不眠)のタイプを知り、原因を明らかにすることが出来れば、その改善方法も見えてきます。

夢をコントロールする(明晰夢)

自分が夢をみているとはっきり認識して夢をみることができ、自分で自分のみたい夢をコントロールすることができる人がいます。このような夢を明晰夢といいます。

夢はおもにレム睡眠期にみて、人が起きているときに得た情報を選別し、半永久的な情報へと移し替える、情報の整理と固定という常用な働きをしています。起きているときに入力された情報を整理する前段階が夢であり、思考・意識・長期記憶などにかかわる前頭葉が、半ば覚醒状態であるため、明晰夢が可能となります。

明晰夢を見るバイブルといえるような常套手段はありませんが、明晰夢は精神疾患の治療に応用できる可能性があることから、大学や医療機関で明晰夢を見る方法が研究されています。

1つは外的刺激を与えることであり、睡眠中に外的刺激を与えると、その外的刺激は何らかの形で夢に取り込まれることが多いという実験結果があります。

夢3

次に、入眠時の感情を操作するという方法があります。脳に入った情報は、まず短期記憶として前頭葉に貯えられます。海馬には過去の記憶が貯えられています。睡眠中に前頭葉は、その短期記憶を海馬の古い記憶と照らし合わせ、筋の通ったストーリーを夢として仕上げるのです。

したがって、楽しい気持ちで眠ると海馬から楽しい記憶が呼び出され、楽しい夢を見ることができます。よって寝る前に楽しい感情を抱くように操作することが大事です。

また、寝る前に見た写真やビデオ、本などが1回目のレム睡眠でみる夢のなかに取り込まれる可能性があるともいわれています。

「もうずっと夢を見ていない」という人は睡眠不足?

夢のほとんどは、眠りの浅いレム睡眠時に見ます。夢を良く見る人、ほとんど見ない人、全く見ない人などがいますが、実際はほとんどの人が夢を見ており、目覚めたときに夢を思い出せるかどうか、がこの違いの大きな理由です。

また、起床するタイミングにも左右されてきます。中途覚醒がないとした場合、通常、起床時に一番近いレム睡眠時の夢しか覚えておらず、途中のレム睡眠時の夢は思い出せません。また、目覚まし時計などで無理に起こされる場合、眠りの深いノンレム睡眠時から起床することがあります。このような場合は、夢を見ていないこと、また、眠りが深すぎて夢を思い出せないことが多いです。

夢2

通常、自然に目が覚めるときは、ノンレム睡眠からレム睡眠を経て、目が覚めますので、「もうずっと夢を見ていない」という人は、いつも眠りの深い所で起こされている可能性があります。

睡眠の前半はノンレム睡眠が多く、後半はレム睡眠が多くなります。ですから、いつも眠りの深い所で起こされているような人は、いつも睡眠不足状態の可能性があります。思い当たる方は睡眠時間を見直してみましょう。
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